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御兄
「御兄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御兄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春」より 著者:芥川竜之介
ざいますか?」
「いいえ、親父《おやじ》だけです。」
「お父様《とうさま》だけ。
御兄弟は確かございませんでしたね?」
「ええ、僕だけです。」
彼等は第二室を通....
「まざあ・ぐうす」より 著者:北原白秋
むし、角だせや、 お父《とう》さんもお母《かあ》さんもしんでしもうた。 おまえの
御兄弟姉妹《ごきょうだい》は裏《うら》ん口《くち》の庭で パンをおくれェと乞《こ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
貌も優しいとともに、その性質も優しい柔順な人間であるらしかった。 「御子息様には
御兄弟がございませんか」 「ひと粒だねの相続人、それゆえに主人は勿論、われわれ一....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
の京弥によろしく先へ言っておいて、前の駕籠の兄へあとから呼びかけました。 「な!
御兄様! ほら、ごろうじませ! ごろうじませ! 灯が見えまする。江戸の灯が見え出....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
何にしろ、お睦じい……ははははは、勝手にお噂をしましたが、何は、お里方、親御、
御兄弟は? 晃 山沢、何にもない孤児なんだ。鎮守の八幡の宮の神官の一人娘で、その....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
さきざきお尋ね遊ばしてお上げなされまし、これはその立花様とおっしゃる方が、親御、
御兄弟より貴女様を便りに遊ばしていらっしゃるに相違ござりませぬ。」 夫人はこれ....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
島皇子(天智天皇第二皇子)は泊瀬部皇女の夫の君で、また泊瀬部皇女と忍坂部皇子とは
御兄妹の御関係にあるから、人麿は川島皇子の薨去を悲しんで、御両人に同時に御見せ申....
「ジロリの女」より 著者:坂口安吾
いのだから、というキツイ御命令である。 そこで私は大浦家を訪れて、 「あなた方
御兄弟もミミッチイ悪党じゃありませんか。こんな宿泊料を小娘に押しつけようなんて、....
「無毛談」より 著者:坂口安吾
を一人しかとめられない。 先日、酔っ払って、このことを忘れて、横山隆一、泰三の
御兄弟を深夜の拙宅へ案内した。気がついた時は、もう、おそい。もっとも、兄弟だから....
「心霊殺人事件」より 著者:坂口安吾
師の客ひき番頭のような姿に化するのかも知れない。 「失礼ですが、皆さんは一ツ腹の
御兄妹でいらッしゃいますか」 「一ツ腹に見えないのですか」 「四人の方々それぞれ....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
いるのを見て、フローラは驚いた。 「おや、奥方さま、なぜにお泣きでございますの。
御兄弟お二人を失ったとはいえ、ラショワ島の御主、黄金郷の女王となったあなたさまに....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
。……」 「主馬之進殿オーッ」 松女は松女で、主馬之進へ取り縋り、 「あなたが
御兄上の頼母様ともども、わたくしの家へ接近なされ、先代の主人わたくしの良人と、何....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
憶にもそれが残っています。 緒方氏の本名は収二郎ですが、十二番目のお子さんで、
御兄弟が非常に多かったのでした。十三郎といわれ弟さんもありましたが、字はどう書く....
「俗臭」より 著者:織田作之助
いった。表面上別れているとはいえ、二人がいつまでもこんな風に会うていては、貴方の
御兄弟にも義理が悪い。この際、潔よく別れてしまおう。そして貴方はその女の方と結婚....
「蛇性の執念」より 著者:大倉燁子
して? 文夫と武雄と似て居ますか?』 『さあ、私はちっとも似ていらっしゃらない、
御兄弟のようじゃないと思いますけれども――。御性質だって、御風采だってまるで反対....