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御出来
「御出来〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御出来の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
て御心を寄せていらしった中御門《なかみかど》の御姫様と、親しい御語いをなさる事が
御出来なさるように相成りました。その思いもよらない事と申しますのは、もう花橘《は....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
の琵琶法師は、俊寛様はあの島の女と、夫婦の談《かた》らいをなすった上、子供も大勢
御出来になり、都にいらしった時よりも、楽しい生涯《しょうがい》を御送りになったと....
「琴のそら音」より 著者:夏目漱石
御用なの?」露子は人の気も知らずにまた同じ質問で苦しめる。 「ああ何か急に御用が
御出来なすったんだって」と御母さんは露子に代理の返事をする。 「そう、何の御用な....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ている鳥刺しの手元から、黙って静かにトリモチ竿を奪いとると、 「御老体、なかなか
御出来でござるな」 ウフフとばかり軽く打ち笑いながら、ふうわり鳥竿を神官の目の....
「家」より 著者:島崎藤村
から母の顔を覗いた。 「隣の叔母さんが、房ちゃんの股眼鏡するのは復た直に赤さんの
御出来なさる証拠だッて」 こう下婢が何の気なしに言った。三吉夫婦は思わず顔を見....
「家」より 著者:島崎藤村
も有ったら……よくそう思いますわ」と豊世が言った。 「豊世さんの許でも、御一人位
御出来に成っても……」とお雪は茶を入れて款待しながら。 「御座いますまいよ」豊世....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
し、御免下さい、先生があまり熱心に忍耐を御説きなさるから、先生は実際どれ程忍耐が
御出来になるか試したのです、と跪いて詫びた。彼は其生徒を賞めて、辞退するのを無理....
「「インガ」」より 著者:宮本百合子
頬にたらした無学なおとなしいグラフィーラは、自分達の家庭へ他人があばれ込むのも制
御出来ない。而も、彼女は今辛い心持をやっと押えているのであった。さっきアイロンを....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
問題だ。かくて道徳振りと倫理呼ばわりによって、国民の風俗と思想とが同時にうまく統
御出来るというのが、どこの国でも採用されているファッショの発明なのだ。日本でも正....
「運命のSOS」より 著者:牧逸馬
限りだが、斯ういう場合、同情して考えて無理もない気もするのである。狂的な擾乱は制
御出来ない。抗する力のない暴動が、野火のような速さでタイタニックを包み去りはしな....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
金 虚子様 ○ 明治三十九年十二月十六日(葉書) 「欠び」
御出来のよし。小生ただ今向鉢巻大頭痛にて大傑作製造中に候。二十四日までに出来上る....
「良寛様の書」より 著者:北大路魯山人
、ある時のこと、御用係某は、殿下御染筆の数々のうち取り分け法隆寺に御下賜のものの
御出来栄えが、一段に御見事に拝される旨を言上した。すると、殿下は言下に「書はその....