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御前様
「御前様〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御前様の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
や、やにわと言いました。 「もっけもねえところへ飛び込んでめえりました。早乙女の
御前様のお屋敷じゃござんせんか。お願げえでごぜえやす。ほんの暫くの間《ま》でよろ....
「黄鳥の嘆き」より 著者:甲賀三郎
入出来る訳だね」 「はい――でもどなたも出入などなさらなかったと思います。本当に
御前様がお自殺遊ばさるなんて、夢のようでございます」 千鶴はもう涙ぐんでいた。....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
手並、久方ぶりで存分に拝見致しまするでござります」 「なにッ」 「いえ、さ、早く
御前様、お引き遊ばせと申しただけでござります。――いえ、ちょッとお待ちなされませ....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
、いとしゅうていとしゅうて、一日二晩|絶間なく感心しつめて天晴菩薩と信仰して居る
御前様を、縛ることは赤旃檀に飴細工の刀で彫をするよりまだ難し、一昨日の晩忘れて行....
「天守物語」より 著者:泉鏡花
まあ、お前様、あんなものを召しまして。 夫人 似合ったかい。 薄 なおその上に、
御前様、お痩せ遊ばしておがまれます。柳よりもお優しい、すらすらと雨の刈萱を、お被....
「夜叉ヶ池」より 著者:泉鏡花
て附添う。 十五夜の月出づ。 白雪 ふみを読むのに、月の明は、もどかしいな。 姥
御前様、お身体の光りで御覧ずるが可うござります。 白雪 (下襲を引いて、袖口の炎....
「紅玉」より 著者:泉鏡花
え。 紳士 俺の声が分るかと云うんじゃ。こりゃ。面を上げろ。――どうだ。 初の烏
御前様、あれ…… 紳士 (杖をもって、その裾を圧う)ばさばさ騒ぐな。槍で脇腹を突....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
杢若が明かに店を張って、暗がりに、のほんとしている。 馬鹿が拍手を拍った。 「
御前様。」 「杢か。」 「ひひひひひ。」 「何をしておる。」 「少しも売れません....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
、 「角海老に似ていましょう、時計台のあった頃の、……ちょっと、当世ビルジングの
御前様に対して、こういっては相済まないけども。……熟と天頂の方を見ていますとね、....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
す」 「宴会前に茶漬三膳は妙だねえ。せっかくの美酒がまずいだろうに」 「いゝえ。
御前様には一風変った習慣がおありでした。重大な御宴会には御飯を召上っておでかけで....
「銀三十枚」より 著者:国枝史郎
まだこの女は成り切れない。そうさ貴族の夫人にはな! 『高尚にね、高尚にね、どうぞ
御前様貴郎様もね、高尚にお成り遊ばしませ!』こう云わなけりゃアイタに付かねえ」 ....
「多神教」より 著者:泉鏡花
かつ面を脱ぐ)おっとあるわい。きゃッきゃッきゃッ。仕丁めが酒を私するとあっては、
御前様、御機嫌むずかしかろう。猿が業と御覧ずれば仔細ない。途すがらも、度々の頂戴....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
もなくなりました。 そこらに宅の出入の車宿がありましたが、その親方がいつも、「
御前様が、
御前様が」といいますから、「
御前様とは誰なの」と聞きましたら、「大乗寺....
「レモンの花の咲く丘へ」より 著者:国枝史郎
始めより領主の後方に謹んで彳みいる、白髪、忠実質朴の風采、恐る恐る小さき声にて)
御前様。 領主 (聞こえぬ如く)海は寛大だ。海は聖人の心のように寛大だ! だがし....
「山吹」より 著者:泉鏡花
片づけて店へ引込む。)えい。(よたよた。やがて人形の前までよたよたよた)はッ、静
御前様。(急に恐入ったる体にて、ほとんど土下座をするばかり。間。酔眼を鯉に見向く....