御厨子[語句情報] »
御厨子
「御厨子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御厨子の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
萩原の首に掛けたる白木綿の胴巻を取外し、グッとしごいてこき出せば、黒塗|光沢消の
御厨子にて、中を開けばこは如何に、金無垢の海音如来と思いの外、いつしか誰か盗んで....
「雪たたき」より 著者:幸田露伴
、愈々底の無い恐怖に陥った。 男はおもむろに室の四方を看まわした。屏風、衝立、
御厨子、調度、皆驚くべき奢侈のものばかりであった。床の軸は大きな傅彩の唐絵であっ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
曾街道の盗賊めく。 不浄よけの金襴の切にくるんだ、たけ三寸ばかり、黒塗の小さな
御厨子を捧げ出して、袈裟を机に折り、その上へ。 元来この座敷は、京ごのみで、一....
「祭」より 著者:寺田寅彦
葉の中にちらばっている。奥の間から祭壇を持って来て床の中央へ三壇にすえ、神棚から
御厨子を下ろし塵を清めて一番高い処へ安置し、御扉をあけて前へ神鏡を立てる。左右に....
「蛇性の婬 」より 著者:田中貢太郎
うと、真女児が出て来て、南面の室に豊雄をあげた。板敷の間に床畳を設けた室で、几帳
御厨子の餝、壁代の絵なども皆古代のもので、倫の人の住居ではなかった。真女児は豊雄....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
馬飼の 木曾の馬主山主の 山の奥所も遥かなる 秣の山や底なしの 川の中地の岩窟の
御厨子に籠りあるという 移り変わるがならわしじゃ 命はあれど形はなく 形は本来地....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
しつつ、漆と朱の光を沈めて、月影に青い錦を見るばかり、厳に端しく、清らかである。
御厨子の前は、縦に二十間がほど、五壇に組んで、紅の袴、白衣の官女、烏帽子、素袍の....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
入って、お願いの儀がございますが」 「願いとは」 「鑁阿寺の秘封と聞く、家時公の
御厨子の“置文”を、お見せ下さいませぬか。ぜひ高氏に、このさい、披見をおゆるし下....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
列だった。――三ツ鱗の大紋打った素襖、烏帽子の奉行の駒を先にして、貝桶、塗長持、
御厨子、黒棚、唐櫃、屏風箱、行器など、見物の男女は何度も羨望の溜息をもらしていた....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
、父に殉じて、おなじく自殺した。しかし沙門の人だけに、武士の列には並ばず、本堂の
御厨子の前に、蔀の格子戸や薪を積んで、仏者らしい火定のかたちをとって死んだ。 ....
「エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
者八人にて相勤、御扶持頂戴仕候。其上様々御拝領物御座候由承及申候。」とある。例の
御厨子所の供御人などと同じく、或る時代から彼らが縁故を求めて、往々禁中へ近づいて....
「魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
々と立ちのぼる煙はあたりの空気を、清浄なものに感じさせていた。その傍には高蒔絵の
御厨子、蝶貝入りの書棚、梨地定紋ちらしの文机等が極めて体裁よく置きつけてあった。....