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「御厩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

御厩の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
《おやかた》の空へ星が流れますやら、御庭の紅梅が時ならず一度に花を開きますやら、御厩《おうまや》の白馬《しろうま》が一夜《いちや》の内に黒くなりますやら、御池の....
開化の良人」より 著者:芥川竜之介
で、暗い川面《かわも》を眺めました。この時もう我々の猪牙舟《ちょきぶね》は、元の御厩橋《おうまやばし》の下をくぐりぬけて、かすかな舟脚《ふなあし》を夜の水に残し....
勝負事」より 著者:菊池寛
もしようがないんじゃ。わしを恨むなよ。恨むのなら、お前のお祖父さんを恨むがええ。御厩では一番の石《こく》持といわれた家がこんなになったのも、皆お祖父さんがしたの....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
った。お関は容貌《きりょう》も好し、遊芸ひと通りも出来るので、番|町《ちょう》の御厩谷《おうまやだに》に屋敷をかまえている五百石取りの旗本福田左京の妾に所望され....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
って、早々に源次の家を出た。それから駈け足で二、三軒まわって途中で午飯を食って、御厩河岸の渡に来たのは、八ツ(午後二時)少し前であった。ここで本所へ渡る船を待っ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
う。こっちも戻りだからすぐに値ができて、その娘を乗せて蔵前の方へいそいで行くと、御厩河岸の渡し場の方から……。まあ、そうだろうと思うんだが、ばたばたと早足に駆け....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
に記すのは、ほんとうの怪談らしい話である。 安政三年の初夏である。江戸|番町の御厩谷に屋敷を持っている二百石の旗本|根津民次郎は箱根へ湯治に行った。根津はその....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
間を通り、跡部大炊の屋敷の方へ、小路伝いに歩いて行った。初鹿源五郎の屋敷を過ぎ、御厩小路へ来た時である。行手に二つの人影が見えた。 焔を上げてはいなかったが、....
山県有朋の靴」より 著者:佐々木味津三
三十六騎。 十二騎ずつひと組となって、平七はその第二組だった。 駒は、桜田の御厩から借りて来た葦毛だった。 葦毛には、この色が映えてよかろうという母のここ....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
。 この御巡幸の諸準備には、本県より出張した書記官や御用掛りの見分がある上に、御厩課、内匠課の人々も追い追い到着して、御道筋警衛の任に当たる警部や巡査の往来も....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
名その他へわかたれる。 売下げを希望する者は、江戸の雉子橋外《きじばしそと》の御厩《おうまや》へ、特別のつてを求めて出願する……その貴重なる薬品を、番兵さんの....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
出したためです。急に西風に変ったために蔵前の家々は残りました。ちょうど、黒船町の御厩河岸で火は止まりました。榧寺の塀や門は焼けて本堂は残っていた。 この大火が....
日和下駄」より 著者:永井荷風
痛を祈ってそれが癒《なお》れば御礼として炮烙をお地蔵様の頭の上に載せるのである。御厩河岸《おうまやがし》の榧寺《かやでら》には虫歯に効験《しるし》のある飴嘗《あ....
夕立」より 著者:永井荷風
、余の見し驟雨の図中その冠たるものなり。これに亜《つ》ぐものは国芳《くによし》が御厩川岸《おんまやがし》雨中の景なるべし。 狂言|稗史《はいし》の作者しばしば....