御天気[語句情報] » 御天気

「御天気〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

御天気の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
硝子戸の中」より 著者:夏目漱石
つきあい》からいうと、まるで疎濶《そかつ》であった。往来で行き会う時だけ、「好い御天気で」などと声をかけるくらいの間柄《あいだがら》に過ぎなかったらしく思われる....
虞美人草」より 著者:夏目漱石
」 「ああ、もう訳はない」と長芋《ながいも》が髯の方へ動き出した。 「今日はいい御天気ですよ」 「ああ天気で仕合せだ。富士が奇麗《きれい》に見えたね」と長芋が髯....
彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
叔父の方が好きだとか気が合うとか申しちゃよく出かけます。今日なども日曜じゃあるし御天気は好しするから、内幸町の叔父が大阪へ立つ前にちょっとあちらへ顔でも出せばい....
行人」より 著者:夏目漱石
「何、降りゃしまいかと思ってね」と自分はいい加減な答をした。 「そう。そんなに御天気が怖《こわ》いの。あなたにも似合わないのね」 「怖かないけど、もし強雨《ご....
草枕」より 著者:夏目漱石
たよ」 「はい、これは、いっこう存じませんで」 「だいぶ降ったね」 「あいにくな御天気で、さぞ御困りで御座んしょ。おおおおだいぶお濡《ぬ》れなさった。今火を焚《....
道草」より 著者:夏目漱石
時もの通り会話は其所《そこ》で切れてしまわなかった。 「あの日はあまり好《い》い御天気だったから、久しぶりで御兄《おあにい》さんの所へも廻って来ました」 「そう....
」より 著者:夏目漱石
えて、別に笑もしなかった。細君も近の字はまるで気にならない様子で、 「本当に好い御天気だわね」と半《なか》ば独《ひと》り言《ごと》のように云いながら、障子を開け....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
で門へ貼《は》り付けるのでしょう。雨がふると剥《は》がれてしまいましょう。すると御天気の日にまた貼り付けるのです。だから標札は当《あて》にゃなりませんよ。あんな....
」より 著者:島崎藤村
物の上に着て、手袋をはめながら夫に随いて行った。「まあ、父さんには無いことだ――御天気でも変りゃしないか」とお雪は眼で言わせた。 ある町へ出た。途中で三吉は立....
芽生」より 著者:宮本百合子
もった女に生れたのを嬉しく思ってます。 この頃の私はそう思ってます。気まぐれな御天気やの私の心はまたどう変わるか分りゃしませんが、まるであべこになった自分の心....
錦木」より 著者:宮本百合子
で…… どうぞ大奥さまから御文でも若様に下さいますように、この頃のうちしめった御天気の中で心配を持ってくらして居ります私の心も御察し下さいまして」 とこんなこ....
千世子(三)」より 著者:宮本百合子
える様にして云った。 「でもね、 あの女《ひと》はほんとうに感情家で我ままで御天気屋なんだよ。 そして―― 肇は何とも云わずにひろびろと横わって居る淋....
それから」より 著者:夏目漱石
へ通る前に、例の如く一応|嫂《あによめ》に逢った。嫂は、 「鬱陶《うっとう》しい御天気じゃありませんか」と愛想よく自分で茶を汲《く》んでくれた。然し代助は飲む気....