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御嬢
「御嬢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御嬢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
すると、茂作の介抱をしていた年輩の女中が、そっと次の間の襖《ふすま》を開けて、「
御嬢様ちょいと御隠居様を御起し下さいまし。」と、慌《あわ》てたような声で云いまし....
「路上」より 著者:芥川竜之介
洋の尼寺《あまでら》へでも行ったような心もちがした。
「これは長野のある資産家の
御嬢さんですが、何でも縁談が調わなかったので、発狂したのだとか云う事です。」
「....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
弱だろう。顔色が悪いぞ」 「そうか、どうも心持ちがわるい」 「そうだろう。井上の
御嬢さんが心配する、早く露西亜《ロシア》料理でも食うて、好うならんと」 「なぜ」....
「草枕」より 著者:夏目漱石
御逢《おあ》いなさったので、一人はここの城下で随一の物持ちで御座んす」 「はあ、
御嬢さんはどっちへ靡いたかい」 「御自身は是非京都の方へと御望みなさったのを、そ....
「刺繍」より 著者:島崎藤村
座います。御年は四十位だとか申しました。まだ御独身《おひとり》で。よく華族様方の
御嬢様なぞにも、そういう風で、年をとって御了いなさる方が御有んなさいますそうです....
「だだをこねる」より 著者:辻潤
中々いろんなのがいるが――どうも新居先生のように文化マダムや、モデルンギャールの
御嬢さんのいないのには――くさるであるです。 4 辻潤後援会と....
「家」より 著者:島崎藤村
吉は老婆の方へ引返した。 「もう一度、私は行って見て来ます」 老婆は考深く、「
御嬢様も、もうそれでも御帰りに成りそうなものですね」 「何処ですか、そのお仙ちゃ....
「傾城買虎之巻」より 著者:直木三十五
って、一日酒の勢をかりて、通仙に申込むと頭ごなしに叱られてしまった。 「畜生め、
御嬢さんに聞いてみろ。二つ返事で、あの源八ならと来るのだ、覚えてやがれ坊主め」 ....
「富岡先生」より 著者:国木田独歩
か知らんが今度東京から帰って来てからというものは、毎日酒ばかり呑んでいて、今まで
御嬢|様にはあんなに優しかった老先生がこの二三日はちょっとしたことにも大きな声を....
「半日ある記」より 著者:寺田寅彦
ける。上野へ入れば往来の人ようやくしげく、ステッキ引きずる書生の群あれば盛装せる
御嬢様坊ちゃん方をはじめ、自転車はしらして得意気なる人、動物園の前に大口あいて立....
「一つの愛情」より 著者:豊島与志雄
ございます。はっきりこうだというお言葉下さいませ。すぐに下さいませ。 ――――
御嬢様御病気のこと、たまらなく胸が痛みます。 どのように御心痛の御事でございま....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
すえ?」 婆さんは益疑わしそうに、日本人の容子を窺っていました。 「私の主人の
御嬢さんが、去年の春|行方知れずになった。それを一つ見て貰いたいんだが、――」 ....
「自転車嬢の危難」より 著者:ドイルアーサー・コナン
人の顔を静かに、燈火の方に向けた。 「これはタイピストには見られないものだ。この
御嬢さんは音楽家さ」 「その通りでございます、ホームズ先生、私は音楽を教えており....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
、一一) 夏目金之助 高浜清様 ○ 啓 先刻の人の話では
御嬢さんが肺炎で病院へつめきりだそうですね。少しは宜いですか。大事になさい。僕の....
「「霜柱の研究」について」より 著者:中谷宇吉郎
いて、研究者は自然科学グループという名前であったが、内容を見ると五、六人の学園の
御嬢《おじょう》さんの共同研究であることが分った。 初めの霜柱の研究というのを....