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御嬢様
「御嬢様〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御嬢様の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
すると、茂作の介抱をしていた年輩の女中が、そっと次の間の襖《ふすま》を開けて、「
御嬢様ちょいと御隠居様を御起し下さいまし。」と、慌《あわ》てたような声で云いまし....
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
子は固《もと》より誰彼の容赦なく一様に気易《きやす》く応対のできる女だったので、
御嬢様と呼びかけられるたびに相当の受答《うけこたえ》をして話を勢《はず》ました。....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
《ちかづ》く足音がして障子を開ける音がする。誰か来たなと一生懸命に聞いていると「
御嬢様、旦那様と奥様が呼んでいらっしゃいます」と小間使らしい声がする。「知らない....
「刺繍」より 著者:島崎藤村
座います。御年は四十位だとか申しました。まだ御独身《おひとり》で。よく華族様方の
御嬢様なぞにも、そういう風で、年をとって御了いなさる方が御有んなさいますそうです....
「琴のそら音」より 著者:夏目漱石
なものだ」 「それを心配するから迷信|婆々《ばばあ》さ、あなたが御移りにならんと
御嬢様の御病気がはやく御全快になりませんから是非この月|中《じゅう》に方角のいい....
「家」より 著者:島崎藤村
吉は老婆の方へ引返した。 「もう一度、私は行って見て来ます」 老婆は考深く、「
御嬢様も、もうそれでも御帰りに成りそうなものですね」 「何処ですか、そのお仙ちゃ....
「半日ある記」より 著者:寺田寅彦
ける。上野へ入れば往来の人ようやくしげく、ステッキ引きずる書生の群あれば盛装せる
御嬢様坊ちゃん方をはじめ、自転車はしらして得意気なる人、動物園の前に大口あいて立....
「一つの愛情」より 著者:豊島与志雄
ございます。はっきりこうだというお言葉下さいませ。すぐに下さいませ。 ――――
御嬢様御病気のこと、たまらなく胸が痛みます。 どのように御心痛の御事でございま....
「狂歌師赤猪口兵衛」より 著者:夢野久作
いをして遣りまするで、蔵元屋の女中さんも、詳しゅう話いて聞かせました上に、どうぞ
御嬢様をば良い処へ世話して下さいと言うていつもオヒネリを十文ぐらいくれます。何処....