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御客
「御客〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御客の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
見えますな。」と云った。「いえ、病人は恩地様ではありません。あそこに御出でになる
御客人です。」――人の好さそうな内弟子は、無頓着にこう返事をした。
それ以来喜....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
やびやかになったのも、元よりの事でございます。が、殊に以前と変ったのは、御屋形の
御客に御出でになる上《うえ》つ方《がた》の御顔ぶれで、今はいかに時めいている大臣....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
中で、杜子春の家へ来ないものは、一人もない位になってしまったのです。杜子春はこの
御客たちを相手に、毎日酒盛りを開きました。その酒盛りの又|盛なことは、中々口には....
「魔術」より 著者:芥川竜之介
》する気色《けしき》もなく、静に椅子から立上ると、
「御婆サン。御婆サン。今夜ハ
御客様ガ御泊リニナルカラ、寝床ノ仕度ヲシテ置イテオクレ。」
私は胸を躍らしなが....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
暮の上げ潮だったが、仕合せとあすこにもやっていた、石船の船頭が見つけてね。さあ、
御客様だ、土左衛門だと云う騒ぎで、早速橋詰の交番へ届けたんだろう。僕が通りかかっ....
「路上」より 著者:芥川竜之介
バラタか何からしいですよ。」
二十四
「安田《やすだ》さん、
御客様でございますよ。」
こう云う女中の声が聞えた時、もう制服に着換えていた俊....
「活人形」より 著者:泉鏡花
たるを突止めたり。 泰助も続いて入込み、突然帳場に坐りたる主人に向いて、「今の
御客は。と問えば、訝かしげに泰助の顔を凝視しが、頬の三日月を見て慇懃に会釈して、....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
を切下げの媼、見るから気高い御老体。 それともつかぬ状で座敷を見入ったが、 「
御客様かい、貴方御免なさいよ。」といって座に着いた。 「灯をね、」と顔をさし寄せ....
「備前天一坊」より 著者:江見水蔭
はなはだ以て、その、恐縮の次第で御座りまするが、どうかハヤ御勘弁を……いえこれは
御客人が物の道理の好くお了解の方と存じまして、ひたすら御憐憫を願う次第で御座りま....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
の忙しい時で、家には誰もおらぬ、草鞋を脱ぎ座敷へ戻っても、火も茶も持って来ない。
御客の帰ったのも知らぬからで、暢気なものである。 翌朝は天気、居ながらにして見....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
上客としてほかに七人、主人をあわせて丁度九人だ。皿は一枚欠けても差支えない」 「
御客人の御都合はともあれ、折角十枚揃いましたる大切の御道具を一枚欠きましたる菊め....
「勝太郎」より 著者:兼常清佐
いる。 ――と、こんな事は、もちろん全くの素人の言う事である。こんなレコードの
御客様方には、恐らくどうでもいい事であろう。そしてレコードはレコード会社の商品で....
「奇巌城」より 著者:菊池寛
売ったそうです。」 「馭者に?」 「はあ、何でも一人の馭者が店先に馬車を止めて、
御客様が入用だから、自動車運転手用の黄色い皮帽子をくれといって、ちょうどこれが一....
「落ちてゆく世界」より 著者:久坂葉子
させたり安物のスタンドバーのあったりする裏通りの角っこに私はやって来ました。他に
御客はなく、白髪のおじいさんは何か和とじの本をよんでおります。 「みてほしいんで....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
きだと思う時が、全くないものでもなかった。母は花が好きであったから、私を連れて、
御客様をおまねきしたりする時は、殊に遠い温室のある花屋まで買いに行った。私は、む....