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御布施
「御布施〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御布施の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
《れんにょしょうにん》という名がたびたび出て来た。十時少し廻った頃、松本は菓子と
御布施《おふせ》を僧の前に並べて、もう宜《よろ》しいから御引取下さいと断《こと》....
「田舎教師」より 著者:田山花袋
やった小僧さんがお経を読むこととなった。近所の法類からしかるべき導師を頼むほどの
御布施が出せなかったのである。 夜は星が聰しげにかがやいていた。垣には虫の声が....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
た者この楽神に転生す、布施の果報で諸天同様楽に暮すと仏説じゃ。吾輩随分田舎芸妓に
御布施をし置いたから、乾闥婆に転生《うまれかわ》りは請合《うけあい》で何がさて馬....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
力杖を小脇に掻上げ、 「そりゃまあ、修行者は修行者だが、まだ全然素人で、どうして
御布施を戴くようなものじゃない。 読方だって、何だ、大概、大学朱熹章句で行くん....
「帰途」より 著者:水野葉舟
した。イムバネスがそれを受取ると、その男は別に二十銭銀貨を一つ出して、 「これは
御布施で。」と言った。 「イエ、イエ」とイムバネスはそれを押し返したが、とうとう....
「勉強記」より 著者:坂口安吾
、栗栖按吉のクラスでは、まさにその心配がないではないか。 ここに坊主の子供達が
御布施をくれたって俺はでないねという講座が二つあるのである。梵語と巴利語の講座で....
「女性の諸問題」より 著者:倉田百三
き道人となしたてまつる嬉しやと思ひしに、内裏の交りをし、紫甲青甲に衣の色をかへ、
御布施の物とりたまひ候ほどの、名聞利養の聖人となりそこね給ふ口惜さよ。夢の夜に同....
「ヨーロッパ的性格 ニッポン的性格」より 著者:坂口安吾
連中のことですから、どうせ碌なことは考えているわけがありません。おおかた、明日の
御布施がどのくらい集まるだろうとか、出かけて行った先きの檀家で、どんな料理が出る....