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「御帳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

御帳の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
死者の書」より 著者:折口信夫
。穆々たる宮の内の明りは、ほのかな香気を含んで、流れて居た。昼すら真夜に等しい、御帳台のあたりにも、尊いみ声は、昭々と珠を揺る如く響いた。物わきまえもない筈の、....
源氏物語」より 著者:紫式部
《ぼうぜん》として朝になってもそのまま御寝室にとどまっていた。御病気を聞き伝えて御帳台のまわりを女房が頻繁《ひんぱん》に往来することにもなって、源氏は無意識に塗....
源氏物語」より 著者:紫式部
お儀式になる模様で、だれもだれも騒ぎ立っていた。式場は院の栢殿の西向きのお座敷で御帳、几帳その他に用いられた物も日本の織物はいっさいお使いにならず唐の后の居室の....
源氏物語」より 著者:紫式部
節になっているが、自分のほかにだれがその仕度に力を貸すものがあろうと思いやって、御帳の懸け絹、壁代などというものは、三条の宮の新築されて移転する準備に作らせてあ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
四ツ辻などにさしかかると、まるで林みたいに立てた両側の民家の門松の枝が、おん輿の御帳につかえて、内なる龍顔をふとあらわにしたりした。 道に白砂をしき、軒に門松....
私本太平記」より 著者:吉川英治
る“夜の御殿”でいらせられます」と答え、賊が走り去ったすきに、こけ転んで、天皇の御帳の内へ、かくかくと密奏した。 天皇はその夜、み后の弘徽殿におやすみだったが....
茶漬三略」より 著者:吉川英治
様のお声も、感情にふるえておいでになった。わしは、辺りへ近づく人間を見張るより、御帳の裡のおはなしに全神経を奪られてしまった。わしの足は、がたがた顫え、唇の色も....