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御幣
「御幣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御幣の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「古千屋」より 著者:芥川竜之介
げまさ》等はいずれもこの戦いのために打ち死した。殊に塙団右衛門直之は金《きん》の
御幣《ごへい》の指《さ》し物《もの》に十文字《じゅうもんじ》の槍《やり》をふりか....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
い幣束《へいそく》が乗せてあるだけであった。その幣束の紙はまだ新らしかった。 「
御幣は市子が納めたのだな」 半七は更に隅々を見まわしたが、煤《すす》びた古祠の....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
さまの娘という位取りはあるそうですよ。なんでも高い段のようなものを築いて、そこへ
御幣や榊をたてて、座敷の四方には注連を張りまわして、自分も
御幣を持っていて、それ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
けに、一層ここらの人々を騒がせた。これで腕斬りが三年つづく事になるのであるから、
御幣かつぎの者でなくても、又かと顔をしかめるのが人情である。近所近辺の人々は寝ぼ....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
、しきりにそれを繰り返していたそうだが、妻は、それが今回のことの前兆であったと、
御幣をかついでいた。それももっともだというのは、僕が東京を出発する以前に、ようや....
「賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
め、自らは勝家の馬印をもって止り防がんことを乞うた。勝家、庄助の忠諫を容れ、金の
御幣の馬印を授けて、馬を北の庄へと向けた。庄助、兄茂左衛門と共に三百騎、大谷村の....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
山の神様のお祭に踊る時には、まじめな道具だって、おじさんが言うんじゃないの。……
御幣とおんなじ事だって。……だから私――まじめに町の中を持ったんだけれど、考える....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
あれ、あすこですわ。」と玉野が指す、大池を艮の方へ寄る処に、板を浮かせて、小さな
御幣が立っていた。真中の築洲に鶴ケ島というのが見えて、祠に竜神を祠ると聞く。……....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
を褥のまま、四隅と両方、六人の手で密と舁いて、釣台へ。 お先立ちがその易者殿、
御幣を、ト襟へさしたものでござります。筮竹の長袋を前半じゃ、小刀のように挟んで、....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
了いました。 後でお爺さんから承るところによると、私というものはその時すっかり
御幣の中に入って了ったのだそうで、つまり
御幣が自分か、自分が
御幣か、その境界が少....
「多神教」より 著者:泉鏡花
仕丁|踞居て、棹尖に剣の輝ける一流の旗を捧ぐ。――別に老いたる仕丁。一人。一連の
御幣と、幣ゆいたる榊を捧げて従う。) お沢 (悄然として伊達巻のまま袖を合せ、裾....
「おばけずきのいわれ少々と処女作」より 著者:泉鏡花
も紫陽花に鬼神隠るというではない。我が心の照応する所境によって変幻極りない。僕が
御幣を担ぎ、そを信ずるものは実にこの故である。 僕は一方鬼神力に対しては大なる....
「妖怪学」より 著者:井上円了
知識あり、事理を解するものの、一笑に付し去りて顧みざるところなりといえども、現に
御幣担ぎ連の持てはやす以上は、必ずしかるべき原因あることなるべし。今、その原因を....
「迷信解」より 著者:井上円了
で、一定の吉日と凶日とがある。かくのごときの類、実に枚挙にいとまあらぬ。 世に
御幣かつぎと称して、なにごとにも縁起の吉凶をいうものがある。ことに婚礼、葬式など....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
のことである。考えあぐねた私は早速そこへ飛び込んだ。 巫女は白髪の老婆だった。
御幣をあげさげしているうちに、体が踊り出す、目がつり上がる。巫女はうわずった声で....