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御府
「御府〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御府の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
露をなさる訳もない、貴方も故郷《こきょう》懐しゅうございましょう、故郷忘じ難し、
御府内で生れた者はねえ、然《そ》うではございませんかね」
隅「それはお前江戸で....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
乙女主水之介の驍名《ぎょうめい》はその時うけた三日月形の傷痕と共に、たちまち江戸
御府内を蔽うに至りました。しかも、身は将軍家以外には膝を屈する必要のない、天下御....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
とか同様で、心細い身の上でがす」 大「左様か、何うだ別に国に帰りたくもないかえ、
御府内へ住って生涯果てたいという志なら、また其の様に目を懸けてやるがのう」 林「....
「煩悩秘文書」より 著者:林不忘
た時、文晁《ぶんちょう》の屏風いっぱいにこの煩悩の二字が殴り書に遺されてあった。
御府内を恐怖と、疑惑の淵に追いこんでいる、この煩悩夜盗! それが再び活躍をはじ....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
毒じゃ、なれど此の高岡は家数も八千軒もある処で、良い船着の処じゃが、けれども江戸
御府内にいた者は何処へ行っても自由の足りぬものじゃ、さぞ不自由は察しますぞよ……....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、松の根方に突立っていた第二の悪魔が、引込みがつかなくなりました。
江戸時代の
御府内に於ての道路の難物は、犬と、生酔いとでありました。その当時は犬に税金がなく....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
しかるべき不動堂はないものかと人に尋ねました。その人が、下総の成田山の出張所が、
御府内のどこそこにあるということをよく教えて聞かせました。しかし米友は、江戸の市....
「東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
掛物が、武家からして質屋に入り、遂に質流れになったのを、二千疋以上を投ぜられて、
御府に御買上げになることもあった。公卿の家に持ち伝えた日記を、その家の微禄のため....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
眼で看破したのだった。
ひだり書きといえば左腕。ひとりでに頭に浮かぶのが、当時
御府内に人血の香を漂わせている逆|袈裟《けさ》がけ辻斬り左腕の下手人だ。
こと....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
ひとをこけにしやがって、いいかげんにとぼけておきやがれ。いってい、てめえなんざ、
御府内《ごふない》へつんだす面じゃねえ。ねえ、旦那、気味が悪いじゃありませんか。....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
立働いているが、眼に見えぬ御両所の秘潜《ひせん》のお骨折があればこそ、ゆるぎなく
御府内の安寧がたもっておる。まずまず、お礼の言葉もない。……ところで、明日はいよ....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
しない。 むっとした文次、往来の上下を睨《ね》めまわすと、屋敷町の片側通りだ、
御府内といえ、一つ二つ横町へそれたばかりなのにもうこの静けさ、庫裡《くり》のよう....
「おせん」より 著者:邦枝完二
笠森のおせんは、江戸一|番の縹緻佳しだ。おいらが拙い絵なんぞに描かないでも、客は
御府内の隅々から、蟻のように寄ってくるわな。――いいたくなけりゃ、聞かずにいよう....
「寺町」より 著者:岩本素白
居るようなところもある。 そういう低みにはきっと小さな寺があって、その門前には
御府内八十八箇所第何番という小さな石が立って居るのである。その又寺の裏には更に細....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
程」 小「此処が大見堂という二代の上様が大いに見るという額を掛けられた処である、
御府内一目に見ゆる処と仰しゃった故、摺火打で煙草を呑む事はやかましい場所じゃ」 ....