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「御得意〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

御得意の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
虚構の春」より 著者:太宰治
いので、三時間位、白い壁の天井を眺めながら、皆の馬鹿話を聞いていました。それから御得意に挨拶に行き、会員、主任のうちに呼ばれて御馳走になり、カルタをとり、いま帰....
文芸の哲学的基礎」より 著者:夏目漱石
において実現しようとすると、美人を咏ずる事の好きな詩人ができたり、これを写す事の御得意な画家になります。現今西洋でも日本でもやかましく騒いでいる裸体画などと云う....
坑夫」より 著者:夏目漱石
んの一人《ひとり》ぎめだから、自分には説明しにくい。が、この飯場は長蔵さんの専門御得意の取引先と云う訳でもなかったらしい。長蔵さんは自分をこの飯場へ押しつけるや....
行人」より 著者:夏目漱石
で、何とも答えなかった。お兼さんは岡田に向って、「あなたこの間から独《ひとり》で御得意なのね。二郎さんだって聞き飽《あ》きていらっしゃるわ。そんな事」と云いなが....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
事が好き上手であったから自然その道の方へ熱心になり、娘は十か十一の時、もう諸方の御得意から招かれて、行く末は一廉の富本の名人になろうと評判された位でありました。....
風景」より 著者:豊島与志雄
また彼女は、デパートに平然と現われて、万引を働く。デパートにとっては、彼女はよい御得意様であって、そこの私設刑事が鄭重に待遇するのである。 彼女は世の中に退屈....
私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
か」という点を手短かにお話してみたいと思います。 小売商の第一に努むべき事は、御得意の信用を得るということであります。「そんなことは申さずとも当り前のことだ」....
文学に現れたる東北地方の地方色」より 著者:佐左木俊郎
ぬ旅館がある。懐淋しい良平は、毛布包をかゝへて、芒然として広小路に立つて居た。「御得意の阪本でござい。毎度御引立難有う御座りやす。奈何ですか旦那、大分夜も遅うご....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
は無かった。王立協会のサー・ハンフリー・デビーの講義もきいた。それはリボーの店の御得意にダンスという人があって、王立協会の会員であったので、この人に連れられて聞....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
入して、女官なども折々見えるとのことでした。ちょうど吉田屋の裏になります。大事な御得意なのでしょう。 車宿は通りへ出て一番大乗寺に近く、それこそ傾きかかった三....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
なる御重詰御折詰もふんだんに達磨の絵袋売切らし私念願かな町のお稲荷様の御利生にて御得意旦那のお子さまがた疱瘡はしかの軽々焼と御評判よろしこの度再板達磨の絵袋入あ....
寺田先生の追憶」より 著者:中谷宇吉郎
な顔をしておられた。これは推測であるが、そういう風に言われると、かえって内心少し御得意《おとくい》のようでもあった。 先生のこういう気持も、それぞれの形で、私....
四つの都」より 著者:織田作之助
仏像を買った方のお名前御存知ですの?」 主人「へえ、そらよく知ってます、なんしろ御得意様でっさかい、中瀬古はんいうて、高等学校の先生だす、ほん、今買うていかれた....
それから」より 著者:夏目漱石
ないか」 「何だか先刻《さっき》から、傍《そば》で伺がってると、貴方の方が余っ程御得意の様よ」 平岡は大きな声を出してハハハと笑った。三千代は燗徳利《かんどく....