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「御念〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

御念の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
たのを板の下から出して、額の筋をも痛みに膨らませて、爾して気絶して居ると言う仲々御念の入った有様だ。 此奴死んで了ったのか知らん、兎も角斯の様な目に遭えば当分....
婦系図」より 著者:泉鏡花
心で思ってるんか。」 「怪しからん事を云うなと云うのに。」 「じゃ確かい。」 「御念には及びません。」 「そんなら何も、そう我が河野家の理想に反対して、人が折角....
親子」より 著者:有島武郎
それではやむを得ないが、では御相談のほうは今までのお話どおりでよいのですな」 「御念には及びません。よいようにお取り計らいくださればそれでもう結構でございます」....
国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
」 「どうも貴方は中々いたいところを御つきになりますね。しかし御安心下さい。その御念には及びません。いくらでも善処すべきみちが作ってありますから」 この場面が....
出家とその弟子」より 著者:倉田百三
じていらっしゃるか知れませんよ。 善鸞 どうして暮らしていますか。 唯円 朝夕、御念仏三昧でございます。このあいだはお風を召しまして、お寝みなされましたが、もう....
海底都市」より 著者:海野十三
かと、僕は少々むかむかしたが、それはおさえた。誰が気が変になんかなるものか。 「御念《ごねん》の入ったごあいさつです。気が変になんかなりませんから、早く素顔《す....
沈没男」より 著者:海野十三
時間十五分というものを、夜の北海の、あの冷い潮に浸っていたのであるから、まことに御念の入ったことであった――という訳は、わがロイヤル・オーク号は、昨夜、スカパフ....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
「雪のようでしょう、ちょっと片膝立てた処なんざ、千年ものだわね、……染ちゃん大分御念入だねなんて、いつもはもっと塗れ、もっと髱を出せと云う女房さんが云うんだもの....
悪獣篇」より 著者:泉鏡花
まいぞ。」 「おう、可いともの、お婆さん、主、その※の針を落さっしゃるな。」 「御念には及ばぬわいの。はい、」 と言って、それなり前途へ、蘆を分ければ、廂を離....
灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
、ここで死ななければならないのだと覚悟をきめて、庭石にすわっていた。私の口からは御念仏が自然にもれた。母はのりとをあげていた。今度こそ焼け死ぬだろうと思った。私....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
ら受けられようとしたのである。鶴見はその伝説を思い浮べている。これこそ代衆生苦の御念願である。 鶴見はこれまで重荷にしていた痛苦がこの代衆生苦の御念願によって....
おせん」より 著者:邦枝完二
「ふん、重さん。眼をつぶさねえように、大丈夫か」 「小判の船でも着きゃしめえし、御念にゃ及び申さずだ」 財布はなかった。が、おおかた晒しの六|尺にくるんだ銭を....
取返し物語」より 著者:岡本かの子
様に育ての恩はあり、さればとてご唱名は欠かしたくなし、義理と法に板挟みの揚句が、御念仏を唱えとうてなりませぬ時には「忘れまいぞやあのことを」「忘れまいぞやあのこ....
註文帳」より 著者:泉鏡花
様はどなただか早や知らねえけれど、何でも私が研澄したのをお持ちなさると見えるて、御念の入った。 溌としちゃあ、お客にまで気を悪くさせるから伏せてはあろうが、お....
四十年前」より 著者:内田魯庵
、ジスレリーの夢が漸く実現された時、その実余人の抄略したものを尾崎行雄自著と頗る御念の入った銘を打って、さも新らしい著述であるかのように再刊されたのは、腕白時代....