御愛嬌[語句情報] »
御愛嬌
「御愛嬌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御愛嬌の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
後、彼は古本屋の女主人にもう「ツアラトストラ」を示していた。
「一円六十銭、――
御愛嬌《ごあいきょう》に一円五十銭にして置きましょう。」
信輔はたった七十銭に....
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
）変な駄洒落《だじゃれ》 憤慨ばかりが能ではあるまいから、一つ汽車中の駄洒落を
御愛嬌《ごあいきょう》に記そう。 元来、今回の横断旅行は、出発地を太平洋｜波打....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
すよ、」 と、慌てたように民弥は急いで断って、 「ちと薄気味でも悪いようだと、
御愛嬌になるんだけれど……何にも彼にも、一向要領を得ないんです、……時にだね、三....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
ら、朝晩｜汐時を見ては拾っておきまして、お客様には、お土産かたがた、毎度｜婆々が
御愛嬌に進ぜるものでござりますから、つい人様が御存じで、葉山あたりから遊びにござ....
「露肆」より 著者:泉鏡花
え、ことの外音声を痛めておりやすんで、お聞苦しゅう、……へい、お極りは五銅の処、
御愛嬌に割引をいたしやす、三銭でございやす。」 「高い！」 と喝って、 「手品....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
とインギン丁重に如才なくお返しするけれども、実はこつちを突き放して通りいつぺんの
御愛嬌にすぎない。最上清人はさうぢやなくて、強者に同類を発見する、さうすることに....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
らずというべきか。通人通家はヤカン頭に湯気を立てがちのものでもあるらしい。そこが
御愛嬌でもあろうか。旦那も姐御も、ワカラズ屋という点では、甲乙ない。しかし、姐御....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
ブツ呟いた。複雑な表情だ。 「取り調べの前に、そうだ。一ツ、やってみよう。これも
御愛嬌だからな」 新十郎は古田巡査に何かささやいた。何事が起るのか分らないが、....
「虫喰い算大会」より 著者:海野十三
すべき書物でありますが、その巻頭に於ける例題の「解き方」の解説が間違っているのは
御愛嬌であります（その書、第九頁）。 （１）★ ＡＢ７ － ７ＢＡ ――....
「フシギな女」より 著者:坂口安吾
あろうが、その結果は一方が下山総裁自殺説をとれば、一方は他殺説をとる、まア時には
御愛嬌でよろしいけれども、その推論の根拠がいかにも薄弱で軽薄きわまるものがある。....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
人で、人のことは気にかけず、自分の生活に没入さるべき性質のもので、どっちにしても
御愛嬌というもの、一向に害になるものではないでしょうね。 しかし、不自然ではあ....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
痛い思いをしてアウトになってはマシャクに合わない話だけれども、だいたいスポーツは
御愛嬌で、そう合理的にいくものではない。相撲は特別
御愛嬌である。 相撲の愛嬌の....
「音楽界の迷信」より 著者:兼常清佐
んな打ち方で叩こうと、そんな事は音楽の音とは別に何の関係もない。それはただ先生が
御愛嬌にそんな事も言って見るだけのものである。それを本当と思いこんで、真面目にな....
「中支遊記」より 著者:上村松園
自分も写して貰いたいのだろう、ほどよい処に陣取って形をつくってすましかえっている
御愛嬌には笑わせられた。私はふっと特務機関長のところの門衛の支那兵を思い出したり....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
。所が四方太先生は議論をしませんよ。だからいやだ。天下が僕の文をまつは甚だ愉快な
御愛嬌で難有く待たれて置いて大に驚ろかす積りで奮発してかきましょう。東洋城のオバ....