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御新造
「御新造〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御新造の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
聞かせましたが、中でも私の心の上に一番不愉快な影を落したのは、近来はどこかの若い
御新造《ごしんぞう》が楢山夫人の腰巾着《こしぎんちゃく》になって、歩いていると云....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
牧野は冗談かと思うほど、顔色《かおいろ》も声もけろりとしていた。
「まあ、嫌な
御新造《ごしんぞ》だ。どうしてまたそんな事をしたんです?」
「どうしてもこうして....
「老年」より 著者:芥川竜之介
たが、皆四十を越した人たちばかりで、それに小川の旦那《だんな》や中洲の大将などの
御新造《ごしんぞ》や御隠居が六人ばかり、男客は、宇治紫暁《うじしぎょう》と云う、....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
だって、ねえ、めのさん。」 とお源は袖を擦抜けて、俎板の前へ蹲む。 「それじゃ
御新造かね。」 「そんなお銭はありやしないわ。」 「じゃ、おかみさん。」 「あい....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
のよ。お父さんはね、お侍が浪人をしたのですって、――石橋際に居て、寺子屋をして、
御新造さんの方は、裁縫を教えたんですっさ、才ちゃんなんかの若い時分、お弟子よ。 ....
「かんかん虫」より 著者:有島武郎
のを着せて、頬っぺたの肉が好い色になるものでも食わせて、通りすがりの奴等が何処の
御新造だろう位の事を云って振り向く様にしてくれりゃ、宿六はちっとやそっとへし曲っ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
とかごとがましい口ぶりだったが、柔和な顔に顰みも見えず、温順に莞爾して、 「
御新造様がおありなさりますれば、御坊様にも一かさね、子産石を進ぜましょうに……」....
「女客」より 著者:泉鏡花
と下を向いて高く言った。 その時|襖の開く音がして、 「おそなわりました、
御新造様。」 お民は答えず、ほと吐息。円髷艶やかに二三段、片頬を見せて、差覗い....
「白金之絵図」より 著者:泉鏡花
棟の瓦を睨ませて、動くことさえさせませなんだ。 十六夜の夜半でござった。師匠の
御新造の思召とて、師匠の娘御が、ソッと忍んで、蕎麦、蕎麦かきを……」 と言が途....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
とおくれ毛を下げていた。下婢から成上ったとも言うし、妾を直したのだとも云う。実の
御新造は、人づきあいはもとよりの事、門、背戸へ姿を見せず、座敷牢とまでもないが、....
「山吹」より 著者:泉鏡花
。人形を桑の一木に立掛け、跪いて拝む。かくてやや離れたる処にて、口の手拭を解く)
御新造様。そりゃ、約束の通り遣って下せえ。(足手を硬直し、突伸べ、ぐにゃぐにゃと....
「清心庵」より 著者:泉鏡花
だ。」 「あれ、また何をじゃアありませんよ。盗人を捕えて見ればわが児なりか、内の
御新造様のいい人は、お目に懸るとお前様だもの。驚くじゃアありませんか。え、千ちゃ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
りはねえ、体操でも何でもすら。そうじゃあねえか、これがな、お前か、婆か、またこの
御新造様なら仔細はねえ、よしんば仔細があった処で泣く子と地頭だ、かれこれいって来....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
溜に居たんですがね。お嬢さんは?」 「私かい、」 「何ですか、蔭で聞きますりゃ、
御新造さんもお亡なんなさいましたッて、飛んだ事で、」と震えて蒼くなっていう。お夏....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
近常さんは目が近くって、耳が遠くっていなすったそうですからね、継はぎさ、――もう
御新造さんはとうに亡くなって、子一人、お老母さん一人の男やもめ――そのお媼さんが....