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「御暇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

御暇の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
火鉢の前から立上ると、さっさと次の間《ま》へはいって行った。 「やっと姉さんから御暇《おいとま》が出た。」 賢造は苦笑《くしょう》を洩らしながら、始めて腰の煙....
妖婆」より 著者:芥川竜之介
が、泰さんは男だけに、すぐ元気な声を出して、「もうかれこれ三時でしょう。じゃ私は御暇《おいとま》しますかな。」と、半ば体を起しかけると、新蔵は不審《ふしん》そう....
旧主人」より 著者:島崎藤村
》られたままで、追出される気は有ません。身の明りを立てた上で、是方《こちら》から御暇を貰って出よう、と心を決めました。あまりといえば袖《つれ》ない奥様のなされか....
思い出の記」より 著者:小泉節子
いました。この桜は年々ヘルンに可愛がられて、賞められていましたから、それを思って御暇乞を申しに咲いたのだと思われます。 ヘルンは早起きの方でした。しかし、私や....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
屋敷へ罷り越し帰宅の途中何者とも不知切害|被致候段不覚悟の至りに被思召無余儀永の御暇差出候上は向後江戸お屋敷は不及申御領分迄立廻り申さゞる旨|被仰出候事 家老名....
」より 著者:島崎藤村
ので、三吉は眠いところを起されたかのように、 「何か用が有るかい」 「何卒、私に御暇を頂かせて下さい」 お雪は寝床の上に倒れて、声を放って哭いた。 「明日にし....
」より 著者:島崎藤村
ら帰って来た頃であった。正太は入口の庭のところに立って声を掛けた。 「叔父さん、御暇でしたら、すこし其辺を御歩きに成りませんか」 「御供しましょう――しかし、一....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
になった最初であった。其れから明治廿九年乃木中将が台湾総督となる時、母堂が渡台の御暇乞に参内して、皇后陛下の御問に対し、姥は台湾の土にならん為、忰の先途を見届け....
天守物語」より 著者:泉鏡花
せん。 図書 (愕然とす。急に)これにこそ足の爪立つばかり、心急ぎがいたします、御暇を申うけます。 夫人 今度来ると帰しません。 図書 誓って、――仰せまでもあ....
松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
首尾となり、殿様へ種々御意見を申し上げ、諫言とかをいたしたので重役の憎みを受け、御暇になりましたが、なんの此の屋敷ばかり日は照らぬという気性で浪人致し、其の後浪....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
るのであるから、女性の妬み心はそれに集って、何とか彼とか難癖をつけて、その結果は御暇という事にもさせるのであるが、この世子に仕えていたお妾は、私の知っては長い年....
「平家物語」ぬきほ(言文一致訳)」より 著者:作者不詳
給わった。葵の前はそれを賜った悲しさがやるかたないので一寸、かげんが悪いと云って御暇たまわって家に帰り障子を閉めきって其の御書を胸にあて顔にあて悲しみ悶えて居た....
備前天一坊」より 著者:江見水蔭
御付きの御腰元|鶴江というのに御手が付いて、どうやら妊娠と心づき、目立たぬ間にと御暇を賜わった。そこで鶴江殿は産れ故郷の播州姫路に立帰り、そのまま縁付いたのが本....
漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
東京俳友の消息に有之、何卒爾後は時々景気御報知|被下度候。近什少々御目にかけ候。御暇の節|御正願上候。小生蔵書印を近刻いたし候。これまた御覧に入れ候。頓首。 ....
ヒルベルト訪問記」より 著者:高木貞治
生がつと起ち上って夫人を顧みながら「ネエ,ケーテ,大分御手間を取らせたから,もう御暇にしようじゃないか」 …………… T―....