御本[語句情報] »
御本
「御本〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御本の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
ぎが燦々と螺鈿《らでん》を光らせている後には、名香の煙《けぶり》のたなびく中に、
御本尊の如来を始め、勢至観音《せいしかんのん》などの御《おん》姿が、紫磨黄金《し....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
こへ出ると、余計事がむずかしいんです。――と云うのは私も四五年|前《まえ》には、
御本宅に使われていたもんですから、あちらの御新造に見つかったが最後、反《かえ》っ....
「魔術」より 著者:芥川竜之介
君へ貸した覚えがある、仏蘭西《フランス》の新しい小説でした。
「永々《ながなが》
御本を難有《ありがと》う。」
ミスラ君はまだ微笑を含んだ声で、こう私に礼を言い....
「或る女」より 著者:有島武郎
って、下手《へた》くそなぬたでもお見せ申したんでしょう……いい気なものね……この
御本と一緒にもお手紙が来たはずね」
愛子はすぐまた立とうとした。しかし葉子はそ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
せんでございます。」と爽な声で答えた。 「なぜかい。」 「奥様がおっしゃいます。
御本宅の英吉様の御朋友ですから、看護婦なぞを連れては豪そうに見えて、容体ぶるよう....
「春昼」より 著者:泉鏡花
の方となりますると……その如何なものでござろうかと……同一信仰にいたしてからが、
御本尊に対し、礼拝と申す方は、この前どうあろうかと存じまする。ははは、そこでござ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
太閤様は秀吉公、黄門様は水戸様でのう、邸は鶴谷に帰したもの。 ところで、一軒は
御本宅、こりゃ村の草分でござりますが、もう一軒――喜十郎様が隠居所にお建てなされ....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
ろう、と可哀に思う。この娘が紫の袱紗に載せて、薄茶を持って来たんです。 いや、
御本山の御見識、その咽喉を聞きに来たとなると……客にまず袴を穿かせる仕向をするな....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
措いた、障子の裡には、燈があかあかとして、二三人居残った講中らしい影が映したが、
御本尊の前にはこの雇和尚ただ一人。もう腰衣ばかり袈裟もはずして、早やお扉を閉める....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
いますよ。」 「しかし、なかに、どんなものか置いてでもあると、それだとね。」 「
御本尊のいらっしゃる、堂、祠へだって入りましょう。……人間同士、構やしません。い....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
た相違点かも知れませぬ。人間ではどんなに深い統一に入っても、躯が残ります。いかに
御本人が心で無と観じましても、側から観れば、その姿はチャーンと其所に見えて居りま....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
嬢さんは柳屋さんというんですね、屋号ですね、お門札の山下お賤さんというのが、では
御本名で。」 「いいえさ、そりゃ私の名だあね。」 「おかみさんの? そうですかね....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
、その遠方の都の冬の処を、夢にでも見ているのじゃあるまいかと思った。 それで、
御本人はまさしく日本の腕車に乗ってさ、笑っちゃあ不可い車夫が日本人だろうじゃあな....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
りましたし、それだし、この辺を総体にこうやって、市の公園のようにするのにつけて、
御本尊は、町方の寺へ納めたのだそうですが、あすこに、もと、お月様の御堂がありまし....
「活人形」より 著者:泉鏡花
|交代に、八橋楼にての始末を語り、「それでね、いざという段になって部屋へ這入ると
御本人|様どこへ消えたか見えなくなりました。これは八蔵|殿が前へ廻って連出したの....