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御櫃
「御櫃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御櫃の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「坑夫」より 著者:夏目漱石
飯の気《け》を離れる事約二昼夜になるんだから、いかに魂が萎縮しているこの際でも、
御櫃《おはち》の影を見るや否や食慾は猛然として咽喉元《のどもと》まで詰め寄せて来....
「倫敦消息」より 著者:夏目漱石
元利共取返そうと云う勢でくるからたまらない。一週間無理に断食をした先生が八日目に
御櫃《おひつ》を抱えて奮戦するの慨がある。 例のごとくデンマークヒルを散歩して....
「門」より 著者:夏目漱石
らなかった。 「それ御覧」と宗助が云った。 御米は女だけに声を出して笑ったが、
御櫃《おはち》の葢《ふた》を開けて、夫の飯を盛《よそ》いながら、 「兄さんも随分....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
ばいいにと思ったが、例のごとく、吾輩の言う事などは通じないのだから、気の毒ながら
御櫃《おはち》の上から黙って見物していた。
寒月君と出掛けた主人はどこをどう歩....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
そんな勝手なことはいえないはずだ。 祖母《おばあさん》、ある日、 「古道具屋で
御櫃《おはち》を決して買ってはいけない。」 と変な教訓を垂れた。聴いていた壮士荻....
「漱石氏と私」より 著者:高浜虚子
元利共取返そうという勢でくるからたまらない。一週間無理に断食をした先生が八日目に
御櫃を抱えて奮戦するの慨がある。 例の如くデンマークヒルを散歩して帰ると我輩の....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
」 「…………」 「まこと、いかなる仔細でございましょうか。見うければ、内侍所の
御櫃、剣璽の捧持など、はや御立座に供奉して、おん出でましのように拝されますが、も....
「それから」より 著者:夏目漱石
った。柱時計はもう十二時廻っていた。婆さんは、飯を済ました後と見えて、下女部屋で
御櫃《おはち》の上に肱《ひじ》を突いて居眠りをしていた。門野は何処へ行ったか影さ....