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御油
「御油〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御油の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
った。ただときどき小夜の中山を越して日坂の蕨餅《わらびもち》を食ってみたいとか、
御油、赤阪の間の松並木の街道を歩いてみたいとか、譫言《うわごと》のように言ってい....
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
ない。 いつかは、何かの新聞で、東海道の何某は雀うちの老手である。並木づたいに
御油から赤坂まで行く間に、雀の獲もの約一千を下らないと言うのを見て戦慄した。 ....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ございます。どうぞお疑いなくお乗り下されませ」 「よしッ。乗ってやろう。菊どの、
御油断あってはなりませぬぞ」 「あなたさまも!」 乗るのを待って駕籠は、小侍を....
「老中の眼鏡」より 著者:佐々木味津三
伊賀流のうちにあった筈じゃ。そう致すと少し――」 「気味のわるいことで厶ります。
御油断はなりませぬぞ」 「…………」 「およろしくば?」 「何じゃ」 「さそくに....
「十万石の怪談」より 著者:佐々木味津三
準備の最中であろうわ。いや、中将様も定めし御本懐遂げるために、寝もやらず片ときの
御油断もなく御奔走中であろうゆえ、蔭乍ら御胸中拝察すると、長国、じっとしておれぬ....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
りません。 中に勇敢なひとりが、芝生に片膝ついて、壺の蓋をとりにかかった。 「
御油断めさるな、おのおの方!」 誰かが、大時代の叫びをあげた。同時に、皆はパッ....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
部は平伏する。蛸は得意だ。 それから、関、亀山、四日市、桑名、宮、岡崎、赤坂、
御油、吉田、蛸は大威張りで駕籠にゆられて居眠りしながら旅をつづけた。宿に着けば相....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
なると、どんな英雄でも、随分悪者の為に如何なる目に逢うかも知れません、殿様決して
御油断はなりません、私はそれが心配でなりません、それから藤田様から参りましたお薬....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
だから、たあいがない」 「でございますが、たしかにおだてる奴があるものですから、
御油断はなりませぬ」 と言って七兵衛は、右の手に持っていたその矢を、駒井の方へ差....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
りませんがな。だが、このほとり近いところに、そういう噂《うわさ》があってみると、
御油断なすっちゃいけません」
全く、悪魔の領域は夜だけのもので、昼になって見る....
「万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
れかも三河なる二見の道ゆ別れかねつる」(同・二七六)というのもある。三河の二見は
御油から吉田に出る二里半余の道だといわれている。「妹」は、かりそめに親しんだその....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
なので……。
駕籠から首をつき出した田丸主水正、「おいっ! 早籠《はや》じゃ。
御油《ごゆ》までなんぼでまいるっ」
駅継《えきつ》ぎなのです。
筆を耳へはさ....
「東上記」より 著者:寺田寅彦
十鈴の流れ二見の浜など昔の草枕にて居眠りの夢を結ばんとすれどもならず。大府岡崎|
御油なんど昔しのばるゝ事多し。豊橋も後になり、鷲津より舞坂にかゝる頃よりは道よう....
「一枚絵の女」より 著者:国枝史郎
二十五の時の弥兵衛であった。お伊勢様へ抜け参りをした。どうしたものか三河の国の
御油の駅路近くやって来た時に、道を迷ってあらぬ方へ行った。そうして寂しい山村へ来....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
をだまして誘い出して、敵方へ人質に渡すなど、あるまいことでもござりませぬ。決して
御油断なされまするな。」 「もちろん油断はならぬ。」と、小坂部は燃える火を見つめ....