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御灯
「御灯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御灯の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
の脳裏《のうり》に浮んだのはかの家《いえ》伝来の仏壇に幾世となく飾り付けられたる
御灯明皿《おとうみょうざら》である。彼の一家《いっけ》は真宗で、真宗では仏壇に身....
「老中の眼鏡」より 著者:佐々木味津三
かりだと思われたのに、若侍らしい者も一緒の二人だった。 「御、御座ります。ここに
御灯りが厶ります」 「……※」 差し出した紙燭の光りでちらりとその二人を見眺め....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
し遣わそう」
彼は、そういうと、手を鳴らした。
内弟子が現れる。
「御神前の
御灯明《みあかし》をかがやかし、御榊《おさかき》を捧《ささ》げなさい。道場にて、....
「死者の書」より 著者:折口信夫
いるのだ。でもここには、本尊が祀ってあった。夜を守って、仏の前で起き明す為には、
御灯を照した。 孔雀明王の姿が、あるかないかに、ちろめく光りである。 姫は寝るこ....
「多神教」より 著者:泉鏡花
り、神職の足近く、どさと差置く。) 神職 神のおおせじゃ、婦、下におれ。――誰ぞ
御灯をかかげい――(村人一人、燈を開く。灯にすかして)それは何だ。穿出したものか....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
。詳しいことは知らないが、俺もそう考えていた。じゃお綱、向うの廻廊がいいだろう。
御灯が下がっている」 更けているので参詣の人影もない。 たまたま、人影らしい....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
毫の光が睫毛をさえぎるので、ここはどこかしら? と思い惑っているとかすかに一点の
御灯がみえる。 アア、江戸で有名な、浅草の観音堂だな。 道理で、五重の塔があ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
研がれたかのようだった。――なぜならば、ここまで来ればもう御座のあたりの賑わいも
御灯の色めきもそれと洩れ窺われるはずであった。しかるに雪の夜の大殿籠りそのままに....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
宮の深くでは、かえって何かふしぎな活力のような精気が、そこの昼もうすぐらい御簾の
御灯にあかあかとかがやいていた。そしてたえず、准后の廉子がまめやかな奉侍をしたり....