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御無沙汰
「御無沙汰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御無沙汰の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「籠釣瓶」より 著者:岡本綺堂
りに炭を煽いでいた。 「こっちへ来たらば、一度はお訪ね申そうと思いながら、いつも
御無沙汰をしていました。八橋に聞きましたら、この頃はちっとも廓《なか》の方へもお....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
六 「さて、どうも更《あらたま》りましては、何んとも申訳《もうしわけ》のない
御無沙汰《ごぶさた》で。否《いえ》、もう、そりゃ実に、烏《からす》の鳴かぬ日はあ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
と、小さい丸髷に結った四十ばかりの女が苦労ありそうな顔を見せた。 「親分。どうも
御無沙汰をいたして居りました。いつも御機嫌よろしゅう、結構でございます」 「おお....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
な、毛巾を便にして、姿と一緒にひらひらと動かすと、畳に陽炎が燃えるようなり。 「
御無沙汰を致しまして済みません。奥様もお変りがございませんで、結構でございます。....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
「馬鹿野郎! 人の前でのろけを書きゃアがった、な」 「のろけじゃアないことよ、
御無沙汰しているから、お詫びの手紙だ、わ」 「『母より承わり、うれしく』だ――当....
「蠅男」より 著者:海野十三
トルを警官たちが怒らせることを心配して、 「じゃあドクトル、塩田先生にはしばらく
御無沙汰していましたので、これから一緒にお伴をしてもいいのですかネ」 「なんじゃ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
幾らか修行が積んだのか、何所となく身に貫禄がついて居りました。 『近頃は大へんに
御無沙汰を致しました。いつも御機嫌で何より結構でございます……。』 『お互にこち....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
諸君によろしく。 * 大杉東宛・明治四十一年十一月十一日 いつもながら
御無沙汰ばかりしていてまことに相済みません。 先きの電車事件が有罪となり、また....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
が町の宿屋に着くと、その明くる朝、真打の富子をたずねて来た女があった。 「どうも
御無沙汰をしています。いつも御繁昌で結構ですこと。」と、女はすこし嗄れた声で懐か....
「飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
違えて僕に聞かせたからである。 しかし僕は一二年の後、いつか又「ホトトギス」に
御無沙汰をし出した。それでも蛇笏には注意していた。或時句作をする青年に会ったら、....
「北斗帖」より 著者:違星北斗
産的仕事が俺にあって欲しい 徒食するのは恥しいから 葉書さえ買う金なく本意ならず
御無沙汰をする俺の貧しさ 無くなったインクの瓶に水入れて 使って居るよ少し淡いが....
「車中有感」より 著者:上村松園
しい汽車の旅を味わうことが出来たのである。好きな窓外風景も、この旅行には、とんと
御無沙汰してしまって…… わたくしは、このあどけない幼児に別れるとき、ひそかに....
「荘子」より 著者:岡本かの子
されました。随分お久しぶりにお目にかかります」 「田舎へ入って仕舞ってどちらへも
御無沙汰ばかりです。だが、あなたは相変らずで結構ですな」 「はい、有難う御座いま....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
ったでしょう。 私も思い込んだんでさ。いえ、何でも参りません。いえ、いえ、もう
御無沙汰いたしますッて、そういったら、お嬢さん、……」 としばらくものを言うあ....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
っていた。それだのに君はこんなに親切だ。君は少しも悪くとらない――許され難い僕の
御無沙汰をさえも。君はいつもかわらぬ忠実な善良な公明正大な友であってくれる。――....