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御無用
「御無用〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御無用の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
のように覗きこみながら、太刀《たち》で若殿様の御顔を指さしますと、
「さかしらは
御無用じゃよ。それよりは十念《じゅうねん》なと御称え申されい。」と、嘲笑《あざわ....
「或る女」より 著者:有島武郎
もう一度お祈りをして」
「お祈りをわたしのようなもののためになさってくださるのは
御無用に願います」
葉子は和らぎかけた人々の気分にはさらに頓着《とんじゃく》な....
「蘭学事始」より 著者:菊池寛
れは、三、四の方々からも尋ねられたことでござる。なれど、われら答え申すには、ただ
御無用になされと申すほかはござらぬ。いかほど辛労なされても、所詮及ばぬことでござ....
「仇討禁止令」より 著者:菊池寛
かし、先ほども申した通り、私事は私事、公事は公事。この場合左様な御|斟酌は、一切
御無用に願いたい」と、はっきりいい切った。 「しかし、天野氏、貴殿は成田殿御息女....
「人造人間戦車の機密」より 著者:海野十三
い一方で押そうとするのであった。 しかし油学士は、反対であった。 「御心配は、
御無用にねがいたい。天下に有名なるかの金博士の発明品に、作ってみて動かなかったり....
「火星兵団」より 著者:海野十三
に見せたところで、あと十日では、そのうちの一台だって作り上げられませんよ。心配は
御無用です」
丸木は、落着き払って言った。
「ふん、まあ、せいぜい気をつけてく....
「地底戦車の怪人」より 著者:海野十三
向け、前進中であります。でありますからして、銃弾をわしの背中にくらわせることは、
御無用にねがいたいもので……」 と、うしろを向いて、おろおろごえで哀訴した。 ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
いが可恐しい。ほんとうに石にでもなると大変。」 「食気の狂人ではござりませんに、
御無用になさりまし。 石じゃ、と申しましたのは、これでもいくらか、不断の事を、....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
というと、手も足も突張りました。 必ず、どんな姿で、どんな顔立じゃなぞとお尋ね
御無用。まだまだ若衆の方が間違いにもいたせ、衣服の色合だけも覚えて来たのが目っけ....
「華々しき瞬間」より 著者:久坂葉子
浮気したらどうする?」 「いやですわ、冗談おっしゃっちゃ」 「たか子さん、御心配
御無用よ。六ちゃんは絶対大丈夫。私が太鼓判を押すわ」 たか子は素直に笑った。蓬....
「巴里のキャフェ」より 著者:岡本かの子
今度の持主に手紙で政府の保護を申出でた。するとやがて返事が来た。女文字で 御心配
御無用に御座候。この家は前持主に妾が与えし愛の代償として譲られしものに御座候。ゆ....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
を数えたに相違ない。 手を引き出すと掌の上に、黄金十枚が載っていた。 「遠慮は
御無用、さあさあお取り」 「開店祝で、何の遠慮、では確かに」 「あ、しばらく、そ....
「おせん」より 著者:邦枝完二
うッてんでげすか。これぁどうも恐れいりやした。そのことなら、どうかもう御心配は、
御無用になすっておくんなさいまし」 「おお、そんなら千|吉さん、おせんの返事を。....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
なぜ、鉄鎚や鑿を持って斬込んで、姉を苛めるその姑婆を打のめさないんだい。――必ず
御無用だよ。そういうかたがたを御紹介とか、何とか、に相成るのは。」 「あんさんは....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
度は頭を割って遣る。
メフィストフェレス(ファウストに。)
先生。尻籠は
御無用だ。しっかりなさい。
わたしが遣って見せるから、ぴったり附いておいでなさい....