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「御物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

御物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旧主人」より 著者:島崎藤村
。猫まで浮れて出て行きました。私は次の間に退《さが》って、春の夜の夢のような恋の御物語に聞惚れて、唐紙の隙間《すきま》から覗《のぞ》きますと、花やかな洋燈《ラン....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
諸事石川備前守の旧例によることには変わりはなかった。慶長年代のころには定見取米を御物成といい、木租を御役榑という。名はどうあろうとも、その実は同じだ。この貢納の....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
からもう二、三人呼び奇せて、その他、振袖のわかい腰元三人、それから中居、茶の間、御物縫いの女、それから下働きのおさんどん二人、お小姓二人、小坊主一人、あんま取の....
雪たたき」より 著者:幸田露伴
にハラハラと泣いて、 「まことに相済みませぬ疎忽を致しました。御相図と承わり、又御物ごしが彼方様|其儘でござりましたので、……如何様にも私を御成敗下さりまして、....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
しに、どこもかしこもよく整った、まことに品位の備わった、立派な御標致、そしてその御物越しは至ってしとやか、私どもがどんな無躾な事柄を申上げましても、決してイヤな....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
一割引の特待券を進呈することであった。割引券も上品に美術的にと意匠して、正倉院の御物中にあるという馬を写して相馬の意味を通わせ、当時有名な凸版印刷会社に調製を頼....
可能性の文学」より 著者:織田作之助
け小説でも書きたくなったというほど、日本の文学は栄養過多であろうか。 正倉院の御物が公開されると、何十万という人間が猫も杓子も満員の汽車に乗り、電車に乗り、普....
猫と杓子について」より 著者:織田作之助
。文章の句読点の切り方すら変っておりません。これはおかしいことです。 正倉院の御物の公開があると、何十万という人間が猫も杓子も満員の汽車や電車に乗り、死に物ぐ....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
員所蔵の逸品といっても数限りのあること故、一般に上流諸家から秘蔵品並びに宮内省|御物等をも拝借し、各種にわたった名画名器等を陳列し、それを一般に縦覧を許すことに....
真珠の首飾り」より 著者:神西清
された代物なのだよ、……何しろその来歴というのがな、――畏こしとも畏こし、帝室の御物と唐室の御物とを、一つにつなぎ合わせた稀代の逸品という触れこみなのさ。それに....
画筆に生きる五十年」より 著者:上村松園
気軽にかかれるものでしたら、さっさと、次の仕事に移れますが、上納の画こそは、永久御物として、御保存のごく名誉の御用画として我が精根を打ち籠めたいと思えば思うほど....
東洋文化史における仏教の地位」より 著者:高楠順次郎
のは、河内高貴寺、大阪四天王寺、近江玉泉寺、京都百万遍知恩寺にある。大和法隆寺(御物)大和海竜王寺所蔵のものはこれに次ぎ、京都東寺、粟田口青蓮院、嵯峨清涼寺、坂....
本州における蝦夷の末路」より 著者:喜田貞吉
る事の出来ない程の大騒動となりました。この時の蝦夷側の要求に、秋田川すなわち今の御物川から北の地方を以て、蝦夷の国として認めてもらいたいと云っているのを見ますと....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ていたいのか、それさえ決定するのが不可能だった。女王専用の荷馬車の馭者が、彼女の御物を運ぶべく三度も喚ばれて、三度とも用はないから帰ってよろしいといわれた。「こ....
春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
郡との間にある一郡の称となっているが、もとは広く山の北の義で、羽前境の連山以北、御物川上流の平野を中心とした一帯の地の総称であった。今の雄勝・平鹿・仙北の三郡は....