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「御用提灯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

御用提灯の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
怪しきそれなる血まみれ男を、ちゃんとそこの庭先へすて置いたままでしたから、その時御用提灯をかざしながら、どやどやと押し入って来た町役人共の目に当然のごとく発見さ....
相馬の仇討」より 著者:直木三十五
」 「一寸外まで」 と、云ったが蓆《むしろ》一枚|撥《はね》ると外だ。四五人が御用提灯を一つ灯して立っているからはっとしたがままよと引かれる。何かのかかり合い....
雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
しめながら、じっと、追って来る捕り方たちの様子を覗う闇太郎だ。 捕り方たちは、御用提灯《ごようぢょうちん》を振りかざして、獲物《えもの》を狙う獣物《けもの》の....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
、ワーッ、という鬨の声! その時見物が叫び出した。 「それお役人のご出張だ!」御用提灯が幾十となく、京橋の方から飛んで来た。八丁堀の同心衆が、岡っ引や下っ引を....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
りにくいな、水が利《き》く奴だと陸より海の方がよほど逃げいいから」 「やれやれ、御用提灯をつけた舟が二三ばい漕ぎ出したぞ」 「こりゃあ、向う岸の火事で済ましちゃ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ず、その前へ順々に歩んで来たのは、陣笠をかぶり、打割羽織《ぶっさきばおり》を着、御用提灯をさげた都合五人の者でありまして、これはこのたび出来た、非常大差配の下に....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
だ木蔭。 あそこのところへ、また以前と同様な陣笠、打裂羽織《ぶっさきばおり》、御用提灯の一行が、東と西とから出合頭にかち合って、まず煙草を喫《の》みはじめまし....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
、わざと人家の裏へそれて逃げ出したから、裸松が、いよいよおこってわめき出し、 「御用提灯を粗末にされちゃ、おれは承知しても、加賀様が承知しねえ、待ちやアがれ!」....
丹下左膳」より 著者:林不忘
瞬間、蒼い雲光で見ると、騒ぎを聞きつけた番所がお役舟を出したとみえて、雨に濡れる御用提灯の灯が点々と……。 いつのまに乗り移ったか、櫛まきお藤が去りゆく舟に膝....
三甚内」より 著者:国枝史郎
ン! ドブン! と、水の音。捕り方が河へ投げ込まれたのだ。 一つ消え二つ消え、御用提灯が消えるに連れて呼び合う声も遠ざかり、やがて全くひっそりとなり、寛永五年....
魔像」より 著者:林不忘
すかし見るように覗《のぞ》いたとき、そこの路地のかげから、一度に雨に濡《ぬ》れた御用提灯の集団《かたまり》が、押し出すように現われて来た。物々しい捕手の一隊だ。....
つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
をぬぐったとき! わっとわき立った無数の人声。今までどこに伏せっていたものか、御用提灯の明りが、四方《あたり》の暗黒を十重二十重《とえはたえ》に囲んで、御用!....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
ころが見える。藤吉は気を配った。 「誰だ、なんだ今ごろ。」 気さくに開けたが、御用提灯を見ると、固くなった。藤吉はさっそく下手に出て、まず宵から今までの動きを....
雲霧閻魔帳」より 著者:吉川英治
どっと、物凄い家鳴りがそれと同時に、佐渡屋の表にも二階にも暴風雨のように起った。御用提灯は、もう畳の上を駈け廻っていた。 十手は走る。皿は飛ぶ。 まるで、地....
大岡越前」より 著者:吉川英治
ら、年貢の納め時が来たようだ」 「なんの、おれは、死ぬのはいやだ。――おお、あの御用提灯は、南町奉行所のものじゃあねえか。南のなら、おれは助かる。おれは、大岡市....