御用金[語句情報] »
御用金
「御用金〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御用金の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
用人も手強く断わった。 「いかにご自分の御《ご》知行所でも、さだめのほかに無体の
御用金などけしからぬ儀でござります」 「では、蔵の中から不用の鎧兜《よろいかぶと....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
威信がまだ全く地に墜ちないことを感じたという。江戸の町人で三万両から一万両までの
御用金を命ぜられたものが二十人もあり、全国の寺社までが国恩のために上納金を願い出....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
征軍進発のために立てた予算は当局者以外にだれも知るよしもなかったが、大坂の町人で
御用金の命に応じたり、あるいは奮って国恩のために上納金を願い出たりしたもののうわ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
徳は呆《あき》れる。 「よくある手で、近頃はどこへ行っても流行《はや》る、徳川の
御用金だとか、勤王《きんのう》の旗揚げの軍備金だとか言って、ところの物持ちをゆす....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
も、さして変りあるべしとは思われない。 この男が馬子を斬ってみようとしたのは、
御用金を奪おうという経済の頭から出たのではなく、芝居気たっぷりの片手斬りに大向う....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
ら、結構なことや。何んやの、かやのいうて、人の金を絞り取りよって――」
「今度の
御用金は、鴻池《こうのいけ》だけで、十万両やいうやないか。昔やと、十万両献金した....
「狂歌師赤猪口兵衛」より 著者:夢野久作
る程なあ。無理もないわい」 「何を言うにもあの蔵元屋と言うのは、黒田五十五万石の
御用金を扱うておる信用第一の店じゃけに、よほど秘密を口禁っとると見えて、イクラ上....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
、どうしたという間違いだったんだ」 「……節季の御用に神田橋のお勘定屋敷へおくる
御用金で、万両箱が十六、千両箱が四十。……金座のほうからは常式方送役人《じょうし....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
れに、このたび、鹿児島の英吉利《えげれす》騒動につらなって藩の武器買入れのため、
御用金をたんとお預りになっていらっしゃるので、ついこの裏のお金蔵には、黄金《こが....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
添える。五枚六枚七、八、九――勘定していくと、どうしても一つ足らない。 特別の
御用金に金座から大奥お賄方《まかないがた》へ納めた分として一つ一つの小判の隅に、....
「増上寺物語」より 著者:佐藤垢石
とになったのであるが、土方らが予め増上寺一山の内容を瀬踏みしておいて、別当の方へ
御用金を申し付けたのであったら、随分たんまりと尊王方の米櫃は重くなったのであろう....
「学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
ざる事を起こし、無益に金を費やして入用不足すれば、いろいろ言葉を飾りて年貢を増し
御用金を言いつけ、これを御国恩に報ゆると言う。そもそも御国恩とは何事をさすや。百....
「三国志」より 著者:吉川英治
ん」 「では、ご一任ください」 李儒は五千人を選んで、市中に放ち、遷都と軍事の
御用金を命ずると称して、洛中の目ぼしい富豪を片っぱしから襲わせた。そして金銀財宝....