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「御簾〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

御簾の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
内裏《だいり》へ盗みにはいりました。宵闇《よいやみ》の夜《よ》の浅い内ですから、御簾《みす》越しに火影《ほかげ》がちらついたり、松の中に花だけ仄《ほの》めいたり....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
く》の移り変りを話せと申す御意もございました。確か、その時の事でございましょう。御簾《みす》のひまから見える御池の水に、さわやかな星の光が落ちて、まだ散り残った....
「日光小品」より 著者:芥川竜之介
巫女《みこ》 年をとった巫女が白い衣に緋《ひ》の袴《はかま》をはいて御簾《みす》の陰にさびしそうにひとりですわっているのを見た。そうして私もなんとな....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
祷所は十五六畳ばかりの座敷で、その構えは先に多吉が報告した通りであった。正面には御簾を垂れて、鏡や榊や幣束などもみえた。信心者からの奉納物らしい目録包みの巻絹や....
「応仁の乱」より 著者:菊池寛
て宸筆を売らせ給ひ、銀紙に百人一首、伊勢物語など望みのまゝをしるせる札をつけて、御簾に結びつけ、日を経て後｜詣づれば宸筆を添へて差し出さる」とある。 ....
「四条畷の戦」より 著者:菊池寛
色に顕れければ、伝奏｜未奏せざる先にまづ直衣の袖をぞぬらされける。主上則ち南殿の御簾を高く捲せて玉顔殊に麗しく、諸卒を照臨ありて正行を近く召して、以前両度の戦に....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
古城の一室、昔は華やかでもあったろう。今は凄じく荒れ果てて器具も調度も頽然と古び御簾も襖も引きちぎれ部屋に不似合いの塗りごめの龕に二体立たせ給う基督とマリヤが呼....
「連環記」より 著者:幸田露伴
非無く御答え申上げた。斉名が文は、月の冴えたる良き夜に、やや古りたる檜皮葺の家の御簾ところどころはずれたる中に女の箏の琴弾きすましたるように聞ゆ、と申した。以言....
「嫉みの話」より 著者:折口信夫
さんつく。たとえば、近衛家から輿入れがあると、それに身分の高い上臈がついて行く。御簾中が正妻だが、ついてきた上臈たちとも、将軍は夫婦関係を結んだ。これは、てかけ....
「犬神娘」より 著者:国枝史郎
おおご上人様はおられました。遙かの奥に古び色ざめた、紫の幕が下げてあり、金襴縁の御簾がかけてあり、白木ともいえないほど古びた木口の、神棚が数段設けられてあり、そ....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
所様はじめ当の主人の満千姫様、三十六人の愛妾達、姫君若様ズラリと並びそこだけには御簾がかけられている。その左は局の席、その右は西丸詰めの諸士達の席である。本丸か....
「二人町奴」より 著者:国枝史郎
ても矢島局の実弟、立派な士分の扱いをもって丁寧に席を与えられたが、見れば正面には御簾があり、そこに将軍家が居るらしい。諸臣タラタラと居流れている。言上役は松平伊....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
は、大田切を過ぎる頃からであった。いつぞや寝所間近く忍び寄った曲者が有った。危く御簾の内にまで入って、燈火消そうと試みたのを、宿直の侍女が見出して、取押えて面を....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
胸に掛けてるようなびらびらの下った女雛の冠ですが、無くなって、それから房のついた御簾のかかってる結構な、一品で五十両、先刻も申しましたね、格別｜私なんぞも覚えて....
「武士を夷ということの考」より 著者:喜田貞吉
せ給ふにも、御関迎へとてゆゆしき武士ども打ち連れて参る。宮は菊のとれんじの御輿に御簾あげて、御覧じならはぬ夷どもの打ち囲み奉れる、頼もしく見給ふ。 これは警固....