御経[語句情報] » 御経

「御経〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

御経の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
図に信を起し易い、云わば朴直な生れがらじゃ。されば予が世尊金口《せそんこんく》の御経《おんきょう》も、実は恋歌《こいか》と同様じゃと嘲笑《あざわら》う度に腹を立....
道祖問答」より 著者:芥川竜之介
の道祖神《さえのかみ》でござる。」 「その道祖神が、何としてこれへ見えた。」 「御経を承《うけたま》わり申した嬉しさに、せめて一語《ひとこと》なりとも御礼申そう....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
住職はさらに説明した。 それでもやはり心あたりはないと云い切って、夫婦は相当の御経料を贈って、住職を帰してやったが、その夕方からお藤の足はまた強く痛み出した。....
春昼」より 著者:泉鏡花
それを大掴に、恋歌を書き散らして参った。怪しからぬ事と、さ、それも人によりけり、御経にも、若有女人設欲求男、とありまするから、一概に咎め立てはいたさんけれども。....
薬草取」より 著者:泉鏡花
「これは失礼なことを申しました。お姿は些ともそうらしくはございませんが、結構な御経をお読みなさいますから、私は、あの、御出家ではございませんでも、御修行者でい....
古狢」より 著者:泉鏡花
そうですけれども、すみの目金をかけて、姉さんかぶりをして、口にはマスクを掛けて、御経を習っていました。お客から、つけ届けはちゃんとありますが、一度来るといって、....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
の四つ時まで、苦しみ通しの難産でのう。 村中は火事場の騒ぎ、御本宅は寂として、御経の声やら、咳やら……」 十四 「占者が卦を立てて、こりゃ死霊の....
第二菎蒻本」より 著者:泉鏡花
、そこにおはします。……駈寄って、はっと肩を抱いた。 「お祖母さん、どうして今頃御経を誦むの。」 慌てた孫に、従容として見向いて、珠数を片手に、 「あのう、今....
死者の書」より 著者:折口信夫
た、紛れ入って来たのであった。 ふっと、こんな気がした。 ほほき鳥は、先の世で、御経手写の願を立てながら、え果さいで、死にでもした、いとしい女子がなったのではな....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
えてこれは冷評したのではない。その証拠には、小松原と一足|違に内を出て、女子扇と御経料を帯に挟んで、じりじりと蝉の鳴く路を、某寺へ。供養のため―― 「沼さ行ぐ道....
寺内の奇人団」より 著者:淡島寒月
取締みたような役をしていました。ところで父は変人ですから、人に勧められるままに、御経も碌々読めない癖に、淡島堂の堂守となりました。それで堂守には、坊主の方がいい....
山吹」より 著者:泉鏡花
――消防夫が揃って警護で、お稚児がついての。あとさきの坊様は、香を焚かっしゃる、御経を読まっしゃる。御輿舁ぎは奥の院十八軒の若い衆が水干烏帽子だ。――南無大師、....
式部小路」より 著者:泉鏡花
でなお困る。幸ひ貴老が見えてから、あの苦しむのが聞えないから……」 「私のその、御経読誦が、いくらか功徳がありましたもんでがしょう。」と、泣くより笑いというので....
ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
記念まで……箪笥はもうない、古葛籠の底から、……お墓の黒髪に枕させた、まあね……御経でも取出すように、頂いて、古着屋の手に渡りましたッて、お可哀相に。――」 ....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
まずその死骸の布片を取って巌の上に置く。で坊さんがこちらで太鼓を敲き鉦を鳴らして御経を読みかけると一人の男が大いなる刀を持って まずその死人の腹を截ち割るです....