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御老体
「御老体〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御老体の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
て躍込《おどりこ》み、打斬《うちき》ろうかとは思いましたが、もう六十の坂を越した
御老体、前後の御分別がありますから、じっと忍耐《がまん》をして夜明を待ちました。....
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
旦那様はまだお帰りはありますまい、お母様《っかさま》は寺参りに」
富「左様で、
御老体になりますとどうもお墓参りより外|楽《たのし》みはないと見えて毎日いらっし....
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
それでは嘘ですか、命を捨てゝも浪島の苗字《みょうじ》が大切と思召《おぼしめ》し、
御老体の身の上で我子《わがこ》を思う処から、餓死しても貴方の身を立てさせたいと思....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
後の国ではとても再会のできないのは知れていますからね。それに法然聖人は八十に近い
御老体ですもの。 良寛 法然様はなんと仰せになりましたか。(涙ぐむ) 慈円 親鸞....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ののように青ざめている鳥刺しの手元から、黙って静かにトリモチ竿を奪いとると、 「
御老体、なかなか御出来でござるな」 ウフフとばかり軽く打ち笑いながら、ふうわり....
「元禄十三年」より 著者:林不忘
廻ります。どうも乱暴だ。」 「いくら天奏衆の御機嫌を取り結ぶのが饗応役とはいえ、
御老体を――。」梶川は笑った。「歩けますかな?」 吉良も、仕方なしに、苦笑して....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
た親仁が、一人でない、薪雑棒、棒千切れで、二人ばかり、若いものを連れていた。 「
御老体、」 雪叟が小鼓を緊めたのを見て……こう言って、恩地源三郎が儼然として顧....
「怨霊借用」より 著者:泉鏡花
に、お煩いなさって可いものでござります。病みつきましたのは、雪にござった、独身の
御老体で。…… 京阪地の方だそうで、長逗留でござりました。――カチリ、」 と....
「雪の宿り」より 著者:神西清
う致すうち一月の末には、太閤は宇治の随心院へ奥方様とお二人で御座を移されました。
御老体のほどを気づかわれたお子様がたのお勧めに従われたものでございましょう。さあ....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
と申さねばならぬ。私は巣鴨の戦犯収容所へ入れられたことのあるオヒゲの長いふとった
御老体の宮様を思いだしましたよ。あの人柄は誰だって憎めません。もっとも宮様らしい....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
と夏の夕を染めたる中へ、紗であろう、被布を召した白髪を切下げの媼、見るから気高い
御老体。 それともつかぬ状で座敷を見入ったが、 「御客様かい、貴方御免なさいよ....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
中に髯のある立派な紳士が、一公職の名のりを上げた。 「この中には、藩侯御一門の
御老体も見えておられる。私も、武士の血を引いておりますぞ。さ、おいで下さい。」 ....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
合ったわ。そこへ、いまじゃ流行らないけれども割安の附木ほどの名刺を出すと、錺職の
御老体、恐れ入って、ぴたりとおじぎをする時分には、ついて来た、羽織なしで袴だけの....
「法然行伝」より 著者:中里介山
出て来たそうである。 又或時夜更けに法然が念仏をするその声が勇猛であったから、
御老体を痛わしく尊く思って正信房が若しも御用もやと、やり戸を引き開けて見ると、法....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
致しました、この丈助は男でありながら煮炊をしたり、すゝぎ洗濯までいたします。夜は
御老体ゆえに腰などを撫って上げるという、実に忠義一図なことでございます。商売を致....