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御者台
「御者台〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御者台の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
書見したりしが、このとき鈴の音《ね》を聞くと斉《ひと》しく身を起こして、ひらりと
御者台に乗り移れり。 渠の形躯《かたち》は貴公子のごとく華車《きゃしゃ》に、態....
「永日小品」より 著者:夏目漱石
《やまたかぼう》を右の手で抑《おさ》えた。前に客待の御者《ぎょしゃ》が一人いる。
御者台《ぎょしゃだい》から、この有様を眺めていたと見えて、自分が帽子から手を離し....
「満韓ところどころ」より 著者:夏目漱石
をその奇麗な馬車の傍《そば》まで連れて行った。さあ御乗んなさいと勧めながら、すぐ
御者台の方へ向いて、総裁の御宅までと注意を与えた。御者はすぐ鞭《むち》を執《と》....
「明暗」より 著者:夏目漱石
いる宿屋の手代《てだい》であった。
「ここに旗が立っています」
彼は首を曲げて
御者台《ぎょしゃだい》の隅《すみ》に挿《さ》し込んである赤い小旗を見た。暗いので....
「思い出す事など」より 著者:夏目漱石
。馬は降る中を動き出した。余は寝ながら幌《ほろ》を打つ雨の音を聞いた。そうして、
御者台《ぎょしゃだい》と幌の間に見える窮屈な空間から、大きな岩や、松や、水の断片....
「赤い貨車」より 著者:宮本百合子
らプラトークをかぶった女が二人、年とった女を左右からかかえて歩いていた。柩馬車の
御者台には、御者とならんで十一二の男の児が冬外套を着てのっかって行く。 窓から....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
足もとへでも坐らせてやろう。いいだろう、フォン・ゾン? それとも御者といっしょに
御者台へ乗っけるかな?……フォン・ゾン、
御者台へ飛び上がれよ!」
しかし、もう....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
で登っていた。
男は尋ねた。
「席がありますか。」
「一つあります。私のそばの
御者台の所ですが。」と御者は言った。
「それを願いましょう。」
「お乗りなさい。....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
をバスティーユの方向へ上っていった。
一同は川岸通りを去って、街路にはいった。
御者台の上に黒く浮き出してる御者は、やせた馬に鞭《むち》をあてていた。馬車の中は....
「金の目銀の目」より 著者:豊島与志雄
いものがこもっていて、命令するのと同じでした。 しかたがありません。キシさんは
御者台《ぎょしゃだい》に上りました。馬は走りだしました。 けれども、キシさんが....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
にいるんだ」 「きみは馬車の中だよ。ボブが御者をしている」 「どうだな」とボブが
御者台から声をかけた。「手足が動かせるか」 わたしは手足をのばして、かれの言う....
「荘子」より 著者:岡本かの子
この時、大梁の方角から旅車の一つが轍を鳴らして来たが荘子の前へ来ると急に止まって
御者台の傍から一人の佝僂が飛降りた。近付いて来ると 「荘先生ではありませんか、矢....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
様もすでに半ばはげ、屋根の上の炊事用の煙突さえ見る影もなく傾いているからである。
御者台にはゆであげたように赤い色をした背の低い男……というよりは一種の脂肪の塊り....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
いと、私、用があるんですから。) 声を懸けると三人が三人、三体の羅漢のように、
御者台の上と下に仏頂面を並べたのが、じろりと見て、中にも薄髯のある一体が、 (用....
「審判」より 著者:カフカフランツ
タンが絶えず眼にはいってたまらなかった。いかにも職務大事といわんばかりに、廷丁は
御者台にすわろうとした。だがKは彼を追い払っておろした。Kが銀行の前に着いたとき....