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「御職〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

御職の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
ふもれすく」より 著者:辻潤
からないので当惑してしまった。 ――僕はこの際なにもいう気がしませんがあなたも御職しょう柄でおいでのことですから、御推察の上よろしいようにお書き下さい―― ....
少女地獄」より 著者:夢野久作
御両親ともそこにおられるのですか」 「ハイ。H市の旧家でございます」 「御両親の御職業は……」 「造酒屋を致しております」 「ほお。それじゃ失礼ですが、お実家《....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
たちのほかには拝し奉ることもできないありさまであった。それでは民の御父たる天賦の御職掌にも戻るであろう。これまでのように、主上の在すところは雲上と言い、公卿たち....
楢重雑筆」より 著者:小出楢重
あるのかも知れないが私はまだ知らない。 区役所の届けとか何かの場合にしばしば、御職業はと聞かれる事がある、私はそんな場合、変な気がして早速返事が口へ出て来ない....
雪たたき」より 著者:幸田露伴
首となって、敵勢の四万、味方は二三千とあっては、如何とも致し方無く、公方、管領の御職位、御権威は有っても遂に是非なく、たたき切ろうにも力及ばず、公方は囚われ、管....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
けにはまったくでございました。 なお怪しいでございましょう……分けて、旦那方は御職掌で、人一倍、疑り深くいらっしゃいますから。」―― 一言ずつ、呼気を吐くと....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
さん、済みませんが、その鳩をちょっと見て下さい」 「どうしましたか」 「あなたは御職業柄、観察が細かいに相違ない、北原君愛育の鳩についても、特別に見覚えがなけれ....
黄昏」より 著者:水野葉舟
、友人に会いに来ました。」 「へえ?」としばらく私の顔をじろじろ見ていたが、 「御職業は?」と無遠慮に聞いた。 「学生です。」と私はすげなく答えた。 すると、....
幾度目かの最期」より 著者:久坂葉子
まりみすぼらしく、指輪は価値のあるものでしたから、主人は私に疑いを抱いたのです。御職業、御名前、身分証明書、通帳。もう私は、すっかり嫌になって、出ちまいました。....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
ろうと楽しんで下に降りて来たら、来ていない。武田長兵衛から新薬の試用が来ている。御職掌がら先生がたには御頭痛も多いことでございましょうから云々。私は頭なんか痛み....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
わりを賑わした。わたしが土産に持って行った東京の菓子を彼はよろこんで食った。 「御職掌ですからいろいろ面白いこともありましょうね。」と、わたしは彼に訊いた。「探....
印象」より 著者:小酒井不木
W氏とストーヴを隔てて対座して居た劇作家のS氏はいいました。 「定めしWさんは、御職業が御職業であるだけ、いろいろ女の怖ろしい性質を御観察になったことと思います....
雲霧閻魔帳」より 著者:吉川英治
一足ちがいで」 「えッ、逃げましたと」 外記は、絶望的に――「父上、何と、この御職責を」 「わしの不明だ。智恵負けだ。腹を切っても、失策の埋合せはつくまい。―....