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御臨終
「御臨終〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御臨終の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
なく御立ちになってしまいました。
こう云う御間がらでございましたから、大殿様の
御臨終を、じっと御目守《おまも》りになっていらっしゃる若殿様の御姿ほど、私どもの....
「点鬼簿」より 著者:芥川竜之介
母の枕《まくら》もとに坐り、二人とも絶えず声を立てて泣いた。殊に誰か僕の後ろで「
御臨終御臨終」と言った時には一層切なさのこみ上げるのを感じた。しかし今まで瞑目《....
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
ならん」と云った。 「それは先生」曽我貞一と名乗る男は一寸云い淀んだが、「先生は
御臨終の苦しみを続けていらっしゃるのです。目をお醒ましなさい」 「なに臨終だァ?....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
きく波うたせて、息を引取ってしまった。 「ああ、お気の毒なことをしました。最早、
御臨終です」 と医師は脈を握っていた手を離して、ジュリアの遺骸に向い恭しく敬礼....
「出家とその弟子」より 著者:倉田百三
奥様は? 親鸞 京を立つ時に別れましたが、私が越後にいる時に死にましてな。 お兼
御臨終にもお会いなさらないで。 慈円 お師匠様は道のために、お上のおとがめをこう....
「菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
出来る、御兄弟の御情合も深い、深いなれども御舎弟様が御家督と云えばお快くないから
御臨終が悪かろうと思う、どうもお四才でもお血統はお血統、若様を御家督にするが当然....
「斜陽」より 著者:太宰治
、お父上が西片町のお家で亡くなられてから、蛇をとても恐れていらっしゃる。お父上の
御臨終の直前に、お母さまが、お父上の枕元に細い黒い紐が落ちているのを見て、何気な....
「新ハムレット」より 著者:太宰治
泣きたくなります。さ、こう並んで腰かけましょう。おや、王妃さま。これは先王さまの
御臨終の時の腰掛でございましたね。先王さまが、お庭の此の腰掛にお坐りになって日向....
「縮図」より 著者:徳田秋声
たが、もう駄目だとわかりにわかに銀子に逢いたくなり、父に哀願した。 「お妹さんが
御臨終です。逢いたがっていらっしゃいますから。」 看護婦はそう言って、そっと銀....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
、その面会謝絶すらも無用と思わるる絶望状態で、何を申上げてもお耳に入る筈はない。
御臨終の妨げになる心配はないと考えたから、折角の御希望をお止めするのは却って心な....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ね。あの方はほほえまれました。神様のうちによみがえられたのだと、みな思いました。
御臨終は、まったく天国へでも行かれるようでありましたよ。」
フォーシュルヴァン....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
仏の声が入り乱れている中で、彼も、鳥の羽根で御祖父さんの唇をしめしてやった。 「
御臨終です。」 医者の声は低かったが、みんなの耳によく徹った。次郎は、半ば開い....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
お亡くなりになったのです。お医者もそれほどの大事とはいわなかったそうで、いよいよ
御臨終という時傍らにいたお医者に大喝して、「帰れ」といわれたそうです。さぞかし残....
「夢幻泡影」より 著者:外村繁
の感覚はなかったようだ。十二時の鳴るのも、一時の鳴るのも、私は知らなかった。 「
御臨終のようですね」 しかし妻の様子には、なんの変化も起らなかった。それを見守....
「恐怖の幻兵団員」より 著者:大倉燁子
鍵を開け、階段を降りかけると、下から低い声で、 「一足違いでした。御病人は父君の
御臨終に間に合わなければ、と、仰しゃって、飛んでおいでになりました」 「何んだと....