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御苦労
「御苦労〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御苦労の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
ながら、洞穴《ほらあな》の前まで迎えに出て、
「これは、これは、髪長彦さん。遠方
御苦労でございました。まあ、こっちへおはいりなさい。碌《ろく》なものはありません....
「影」より 著者:芥川竜之介
す。」
陳はほとんど無表情に、じろりと相手の顔を眺めた。
「今日《こんにち》は
御苦労でした。」
「先ほど電話をかけましたが、――」
「その後《ご》何もなかった....
「河童」より 著者:芥川竜之介
目を通すと、急ににやにや笑いながら、相手の肩をたたきました。
「よろしい。どうも
御苦労だったね。」
僕は呆気《あっけ》にとられたまま、巡査の顔をながめていまし....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
かった。妻は自分の来たのを知ると一人だけ布団《ふとん》の上に坐り、小声に「どうも
御苦労さま」と云った。妻の母もやはり同じことを云った。それは予期していたよりも、....
「路上」より 著者:芥川竜之介
ず》君はのんきだな。また認識の根拠は何処《いずく》にあるかとか何とか云う問題を、
御苦労様にも考えていたんだろう。」
俊助は金口《きんぐち》の煙草《たばこ》に火....
「或る女」より 著者:有島武郎
歩みをぴったり止めてしまって、落ち付いた顔で、車夫のほうに向きなおった。
「そう
御苦労よ。家に帰ったらね、きょうは帰りがおそくなるかもしれませんから、お嬢さんた....
「或る女」より 著者:有島武郎
て自分|一人《ひとり》を敵に回しているように思った。
「へえ、そうですか。どうも
御苦労さま。……愛さんお前はそこにそうぼんやり立ってるためにここに呼ばれたと思っ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
に同日であるから、その編上靴は、一日に市中のどのくらいに足跡を印するか料られぬ。
御苦労千万と謂わねばならぬ。 先哲曰く、時は黄金である。そんな隙潰しをしないで....
「親子」より 著者:有島武郎
忘れるくらいでなくてはおもしろくもないし、甘くゆくもんでもない。……しかし今夜は
御苦労だった。行く前にもう一言お前に言っておくが」 そういう発端で明日矢部と会....
「海異記」より 著者:泉鏡花
え、八方から波を打つける暗礁があるばかりだ、迷うな、ッていわしった。 お船頭、
御苦労じゃ、
御苦労じゃ、お船頭と、皆握拳で拝んだだがね。 坊主も島も船の影も、....
「女客」より 著者:泉鏡花
の上でちょっと見たが、端書の用は直ぐに済んだ。 机の上に差置いて、 「ほんとに
御苦労様でした。」 「はいはい、これはまあ、御丁寧な、御挨拶痛み入りますこと。お....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
の分なら、お次へ四天王にも及ぶまいと、 「ええ、さようならばお静に。」 「ああ、
御苦労でした。」と、いってすッと立つ、汽車の中からそのままの下じめがゆるんだか、....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
、 「洲の股の御前も、山の峡の婆さまも早かったな。」というと、 「坂下の姉さま、
御苦労にござるわや。」と手水鉢から見越して言った。 銀の目をじろじろと、 「さ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
、いかにもきれいで、のんきらしく結構に思われますが、矢張り神様にもいろいろつらい
御苦労がおありなさるのでございましょう?』 『よい所へお気がついてくれました。』....
「活人形」より 著者:泉鏡花
耳、隣室の談話声を聞けば、おのが跟けて来し男の外になお一人の声しけり。 「お前、
御苦労であった。これで家へ帰っても枕を高うして寐られるというものだ。「旦那もう帰....