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御苦労様
「御苦労様〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御苦労様の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
ず》君はのんきだな。また認識の根拠は何処《いずく》にあるかとか何とか云う問題を、
御苦労様にも考えていたんだろう。」
俊助は金口《きんぐち》の煙草《たばこ》に火....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
が悪いと不可ません。直ぐに、これから、」 「どうぞそうなすって下さいまし、貴下、
御苦労様でございますねえ。」 「御苦労どころじゃありません。さあ、お供いたしまし....
「親子」より 著者:有島武郎
て土間に下り立つと、うやうやしく彼に向かって腰を曲げた。 「若い且那、今度はまあ
御苦労様でございます」 その中で物慣れたらしい半白の丈けの高いのが、一同に代わ....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
で見えてちょこちょこと橋がかりを越えて渡ると、三人の懐へ飛び込むように一団。 「
御苦労様。」 わがために、見とどけ役のこの人数で、風呂を検べたのだと思うから声....
「五色温泉スキー日記」より 著者:板倉勝宣
なくして片足を雪につっこんで探している。こんな探しものは少なかろう。寒いだろうに
御苦労様だ。 昼からは坊城と板倉と小林でむやみと急な崖を下りた。坊城が知らぬ間....
「栃の実」より 著者:泉鏡花
めて視た――絵で知ったほぼ想像のつく大きな蓑虫を提げて出て来たのである。「ああ、
御苦労様――松明ですか。」「えい、松明でゃ。」「途中、山路で日が暮れますか。」「....
「女客」より 著者:泉鏡花
の上でちょっと見たが、端書の用は直ぐに済んだ。 机の上に差置いて、 「ほんとに
御苦労様でした。」 「はいはい、これはまあ、御丁寧な、御挨拶痛み入りますこと。お....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
、ぞろぞろぞろぞろと口で言い言い三人、指二本で掻込む仕形。 「頭、……御町内様も
御苦労様でございます。お捜しなさいますのは、お子供衆で?」 「小児なものかね、妙....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
から見ても骨の触って痛そうな、痩せた胸に、ぎしと組んだ手を解いて叩頭をして、 「
御苦労様でございます。」 「むむ、
御苦労様か。……だがな、余計な事を言わんでも可....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
ぼんと致し、 「へい。」と言って、目をぱちくりするばかりでありまする。 「まあ、
御苦労様だったね。さっきから来るだろうと思って、どんなに待っていたか知れないよ。....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
切天人皆応供養。――」 チーン。 「ありがとう存じます。」 「はいはい。」 「
御苦労様でございました。」 「はい。」 と、袖に取った輪鉦形に肱をあげて、打傾....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
る、いずれも口々。 中に挟ったのが看護婦のお縫で、 「どういたしまして、誰方も
御苦労様、御免なさいまし。」 「さようなら。」 「お休み。」 互に言葉を交した....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
の中の紅は、買って帰った鬼灯ならぬ緋塩瀬の紙入で。 可愛き銀貨を定めの賃。 「
御苦労様。」 「お持ちなすったものはこれッきりかね。」 「や、まだ台函に、お包が....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
路地づたいに今頃戻って来るとのこと。 「少し立込んだもんですからね、」 「いや、
御苦労様、これから緩りとおひけに相成ます?」 「ところが不可ないの、手が足りなく....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
さを思わせた。 「あれが、本願寺……」 と雲の低い、大な棟を指さしながら、 「
御苦労様――この小路をちょっと曲るです。」 と言うかと思うと八郎が、 「おや…....