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御蔭様
「御蔭様〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御蔭様の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
篤夫《おおいあつお》の野蛮《やばん》な姿を、滑稽に感ぜずにはいられなかった。
「
御蔭様で、今夜は盛会でした。」
タキシイドを着た藤沢は、女のような柔《やさ》し....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
心得ているなら情《なさ》けない。ある人に奴鰻《やっこうなぎ》を奢《おご》ったら、
御蔭様で始めて旨《うま》い鰻を食べましてと礼を云った。奢った男はそれより以来この....
「道草」より 著者:夏目漱石
《おかま》の御尻まで洗ったもんだが、今じゃとてもそんな元気はありゃしない。だけど
御蔭様でこう遣って毎日牛乳も飲んでるし……」 健三は些少《さしょう》ながら月々....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
騎当千の豪傑連の挙止動作を寝ながら拝見するのは吾輩にとって千載一遇の光栄である。
御蔭様でこの暑いのに毛袋でつつまれていると云う難儀も忘れて、面白く半日を消光する....
「旧主人」より 著者:島崎藤村
しに笑いました。 「これはこれはどうも難有《ありがと》うござります。どうも奥様、
御蔭様で助かりますでござります」 巡礼は泣き出した児を動揺《ゆすぶ》って、暮方....
「趣味の遺伝」より 著者:夏目漱石
《つじつま》が合わん。第一余の理論の証明に関係してくる。先《ま》ずこれなら安心。
御蔭様でと挨拶《あいさつ》をして帰りかけると、老人はこんな妙な客は生れて始めてだ....
「家」より 著者:島崎藤村
へも手紙を貰いましたが、なかなか達者に好く書いてありましたッけ」 「ええ、まあ、
御蔭様で好いお嫁さんを見つけました。あれ位のお嫁さんは探したってそう沢山無い積り....
「家」より 著者:島崎藤村
を承諾した。金は次の日お俊に取りに来るようにと願った。 お俊が縁談も出た。 「
御蔭様で、結納も交換しました。これで、まあ私もすこし安心しました」 とお倉はお....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
らでも取って参れます。私は近頃はニューヨークに独りで参れるようになりました。……
御蔭様にて只今は満足して感謝して働いて居ります。少しも日本に未だ帰りたく思いませ....
「キチガイ地獄」より 著者:夢野久作
……やッ……院長さんですか。どうもお邪魔します。 ええ。早速ですが私の精神状態も、
御蔭様でヤット回復致しましたから、今日限り退院さして頂こうと思いまして、実は御相....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
りまする。 早速当人にも相伝えまして、久しぶりで飛んだ喜ばせてやりました。全く
御蔭様でござりまする。何が貴方、かねての心懸が宜しゅうござりますので、私共もはや....
「寺田先生の追憶」より 著者:中谷宇吉郎
とになる。いつかゆっくり会って、御蔭《おかげ》で重役になり損ねましたと言おうか、
御蔭様で生涯没頭して悔《くい》ない面白い仕事にありつきましたと言おうかと思ってい....