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御見
「御見〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御見の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
で、やはり毎日先生の御講演を伺いに出て居りますが、勿論多数の中でございますから、
御見覚えもございますまい。どうかこれを御縁にして、今後はまた何分ともよろしく御指....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
した。
しかし御姫様は、まだ御眼に涙をためながら、洞穴の奥の方をそっと指さして
御見せになって、
「それでもあすこには、私《わたし》をさらって来た食蜃人が、さっ....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
そう云う思い出の内でも、あの御年若な若殿様が、少しも取乱した御容子《ごようす》を
御見せにならず、ただ、青ざめた御顔を曇らせながら、じっと大殿様の御枕元へ坐ってい....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
上に起直《おきなお》って、苦しそうにこう云った。「が、身ども息のある内に、先生を
御見かけ申し、何分願いたい一儀がござる。御聞き届け下さりょうか。」蘭袋は快く頷《....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
十
「あの白犬が病みついたのは、――そうそう、田宮《たみや》の旦那《だんな》が
御見えになった、ちょうどその明《あ》くる日ですよ。」
お蓮《れん》に使われてい....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
所だった。
「旦那《だんな》。工場《こうば》から電話です。今日《きょう》あちらへ
御見えになりますか、伺ってくれろと申すんですが………」
洋一が店へ来ると同時に....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
なり、また涙に咽《むせ》びそうにしました。すると御主人は昔のように、優しい微笑を
御見せになりながら、
「しかし居心《いごころ》は悪くない住居じゃ。寝所《ねどころ....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
につけて、これもまた、学校に縁遠《えんどお》い方だったものでえすから、暑さ寒さの
御見舞だけと申すのが、書けないものには、飛んだどうも、実印《じついん》を捺《お》....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
しかったが、さあとなると、飜然と縁を切って走込むばかりの勢――小芳の方が一目先へ
御見の済んだ馴染だけ、この方が便りになったか、薄くお太鼓に結んだ黒繻子のその帯へ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
、 「本家が村一番の大長者じゃと云えば、申憎い事ながら、どこを宿ともお定めない、
御見懸け申した御坊様じゃ。推しても行って回向をしょう。ああもしょう、こうもしてや....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
可哀に思う。この娘が紫の袱紗に載せて、薄茶を持って来たんです。 いや、御本山の
御見識、その咽喉を聞きに来たとなると……客にまず袴を穿かせる仕向をするな、真剣勝....
「陽炎座」より 著者:泉鏡花
て声を掛けなんだじゃで、お稲は殊勝気に舞台じゃった。――雨に濡りょうに……折角の
御見物じゃ、幕切れだけ、ものを見しょうな。」 と言うかと思うと、唐突にどろどろ....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
淑徳と貞操を保証いたします。……令嬢は未だかつて一度も私ごときものに、ただ姿さへ
御見せなすった、いや、むしろ見られた事さえお有んなさらない。 東京でも、上野で....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
が洒落もなき、初詣の思い出草。宿屋の硯を仮寝の床に、路の記の端に書き入れて、一寸
御見に入れたりしを、正綴にした今度の新版、さあさあかわりました双六と、だませば小....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
その上|御馳走でございます。ほんとうに先生は、金主と作者と、衣裳方と、振つけと、
御見物とかねて下さるんだ、本雨の立廻りか、せめてのことに疵でもつけるんでなくっち....