御贔屓[語句情報] » 御贔屓

「御贔屓〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

御贔屓の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
婦系図」より 著者:泉鏡花
主税は猪口を視むるのみ。 「お察しなさいよ。」 と先生にまたお酌をして、 「御贔屓の民子ちゃんが、大江山に捕まえられていますから、助出しに行くんだわ。渡辺の....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
か」 「いえ、たびたび来て、歌わせました。もう七、八回も頼みました」 「たいへん御贔屓のようですね」 「そうです。ジュリア歌う――お客さま悦びます。わたくしも悦....
幽霊妻」より 著者:大阪圭吉
私めのためにとんでもない濡れ衣をお着になったお恨みは、必ずお晴らし申します。特別御贔屓にして頂きました私めの、これがせめてもの御恩返しでございます。 ――大体....
錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
められたり、毛色の変った見世物だと、邸町の犬に吠えられましたら、せめて、貴女方が御贔屓に、私を庇って下さいな、後生ですわ、ええ。 その 私どうしたら可いでしょう....
獏鸚」より 著者:海野十三
も判らないかというような顔をしたのち「あれですよ、三原玲子さんのことです。貴方の御贔屓の……」 「これこれ」 私は帆村の方をちらと見たが、彼はスタディオの巨大....
陽炎座」より 著者:泉鏡花
た優しく聞いた。 「どうするって、何、小母さん。」 役者は、ために羽織を脱いだ御贔屓に対して、舞台ながらもおとなしい。 「あのね、この芝居はどういう脚色なの、....
湯女の魂」より 著者:泉鏡花
なおの事、誰かにおさせなさりとうございましょうね。」 「何、それにゃ及ばんから、御贔屓分に盛を可く、ね。」 「いえ、道中筋で盛の可いのは、御家来衆に限りますとさ....
照葉狂言」より 著者:泉鏡花
んか。」 「あら、私ばッかりじゃありません。姉さんだッて、そういいました。そりゃ御贔屓になすッて下さるお客も多いけれど、何の気なしにただおもしろがって見て下さる....
黒百合」より 著者:泉鏡花
野に連出されたお雪は、屠所の羊の歩。 「どういう御用なんでございましょう。いつも御贔屓になりますけれども、つい、お使なんぞ下さいましたことはございませんのに、何....
鰻に呪われた男」より 著者:岡本綺堂
せんから、お静かでございますと、番頭は言った。 「はい、田宮の奥さんには長いこと御贔屓になっております。一年に二、三回、かならず一回はかかさずにお出でになります....
山吹」より 著者:泉鏡花
か、もう……――あの、貴方、……前は、貴方が、西洋からお帰り時分、よく、お夥間と御贔屓を遊ばして、いらしって下さいました、日本橋の……(うっとりと更に画家の顔を....
三枚続」より 著者:泉鏡花
物とかねて下さるんだ、本雨の立廻りか、せめてのことに疵でもつけるんでなくっちゃあ御贔屓効がねえんですが、山が小せえんだね、愛宕の石段を上るほどもないんですからね....
註文帳」より 著者:泉鏡花
、毎日研物の荷を担いで、廓内をぶらついて、帰りにゃあ箕輪の浄閑寺へ廻って、以前|御贔屓になりましたと、遊女の無縁の塔婆に挨拶をして来やあがる。そんな奴も差配内に....
鷺娘」より 著者:大倉燁子
なら格別、あんたみたいに苦労させられた上に勝手なことを云われちゃ、いくら親御様の御贔屓にあずかっている私でも、そうそう御機嫌をとっちゃいられませんよ」 家元の....
機密の魅惑」より 著者:大倉燁子
そこをふり出しに転々と流れ歩いて居りますのですが、そういう事情があるので、いくら御贔屓にして頂いていても敵の旦那様とどうこういう関係にはなれません。ですからその....