御贔負[語句情報] » 御贔負

「御贔負〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

御贔負の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
道草」より 著者:夏目漱石
々将校方の御世話になるようになりまして。その内でも柴野《しばの》の旦那には特別|御贔負《ごひいき》になったものですから」 健三は柴野という名を聞いて急に思い出....
浮雲」より 著者:二葉亭四迷
暗に盛徳を称揚する事も折節はあるので、課長殿は「見所のある奴じゃ」ト御意遊ばして御贔負《ごひいき》に遊ばすが、同僚の者は善く言わぬ。昇の考では皆|法界悋気《ほう....
名娼満月」より 著者:夢野久作
願いました上で、かような不治の疾患の者を御身請なぞとは勿体ない。満月ことを左程|御贔負に思召し賜わりまするならば、せめて寮へ下げて養生致させまする御薬代なりと賜....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
は春の夜の朧月にも相応わしいが、夏より秋にかけての夜ごとに聞く銅鑼の音、「ええ、御贔負様如何? お二階の旦那! 何ぞ御贔負様を……」と又一つボーン! 「あ、こり....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
のがめっけものです。でもね、こうして拙《つたな》い琵琶を弾いて歩きますと、人様が御贔負《ごひいき》をして下すって、自分の暮らしには余るほどのお金が手に入るもんで....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
ますの。ええ、そうでございますとも。この辺でごらんなさいまし。三崎座の女役者を、御贔負は、皆呼びずてでございます。」 言い得て女房、妙である。(おん箸入)の内....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
はさしもの大資産《おおしんだい》を摺《す》ってしまってもお蝶さんと離れず、角力は御贔負《ごひいき》さきがペシャンコになってしまっても捨てず、だんだん微禄《びろく....
書記官」より 著者:川上眉山
を突きて、ははははと独り悦に入る。 光代は向き直りて、父様はなぜそう奥村さんを御贔負になさるの。と不平らしく顔を見る。なぜとはどういう心だ。誉めていいから誉め....
薄どろどろ」より 著者:尾上梅幸
やった事がないからいつか遣ってみたいものだと言っていました。その事を、その後不図御贔負を蒙る三井養之助さんにお話すると、や、それはいけない、幽霊の陰に対しては、....
春泥」より 著者:久保田万太郎
以前、いゝえ、木場の福井さんという方がおいでになりましてね。――わたくしなんぞも御贔負になりましてすが、この方が大した遊び手で、福井さんといえばどこの花柳界でも....