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「御辺〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

御辺の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
蘭学事始」より 著者:菊池寛
沢ただ一人しかいないのを幸いに、自分の素志を述べてみた。 「西氏! 今日は、ちと御辺に折り入ってお尋ねしようと思うことがござるのじゃ、それは余の儀ではござらぬ。....
桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
を作りつつあったわけである。 天文二十二年に義元が氏真を戒めた手紙がある。 「御辺の行跡何とも無分別候、行末何になるべき覚悟に哉……弓馬は男の業也器用も不器用....
丹下左膳」より 著者:林不忘
それでは作阿弥殿、チョビ安のために、日光御出馬を決心なされたのか。ゆくもゆかぬも御辺の心まかせじゃ。この泰軒は、何ごとも言うべき筋合いではござらぬ」 これでチ....
十二支考」より 著者:南方熊楠
ひけるは、我この橋の下に住む事すでに二千余年なり、貴賤往来の人を量り見るに、今|御辺《ごへん》ほどに剛なる人いまだ見ず、我に年来《としごろ》地を争ふ敵あつて、動....
白くれない」より 著者:夢野久作
るゝまゝに、その吉凶禍福を占ひ、過去現在未来の運命を説くに一度も過つ事なし。今、御辺の御人相を見るに、只今の御話と相違せる事、雲泥も啻ならず。思ふ事、云はで止み....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
氏郷から一面秀吉ならびに関東押えの徳川家康に通報し、一面は政宗へ、土地案内者たる御辺は殿下の予《かね》ての教令により出陣征伐あるべし、と通牒《つうちょう》して置....
丹下左膳」より 著者:林不忘
受けとり、 「これです。この壺に関して、とかく迷惑なうわさの横行いたす折りから、御辺《ごへん》がおたずねくだすったのは、何よりありがたい。一つ、御辺《ごへん》を....
つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
い。人の心はさまざまの日が来るものじゃ、うむ、それよりも守人殿、ここに一つ、ぜひ御辺に見せたいものがある」 年寄りだけあって、玄鶯院は古風ないい方をする。 ....
五右衛門と新左」より 著者:国枝史郎
かせ、見物せんとて、棟の上へ生ひたる苔を、すこしづつ摘み、ばり/″\と投ければ、御辺は卒爾を、人にしかけるものかなといふ中に、又飛礫を雨のごとくに打ければ、総見....
私本太平記」より 著者:吉川英治
の男、 「わああああ。こりゃ卒爾を申した。ごめん、ごめん。……お呼びとめしたのは御辺じゃおざらぬ。高氏ちがいじゃ、高氏ちがいじゃ」 と、独りでおかしがッている....
私本太平記」より 著者:吉川英治
の若入道はどうしておるな。ここ消息もないが」 「佐々木でおざるか」 「さればよ。御辺がひどく惚れこんで、以前、身の館へも連れてみえた道誉だが、どうもあの男、二た....
私本太平記」より 著者:吉川英治
しかに、どこかで見た女性には相違ないが、さて俄に、思い泛かぶところもない。それに御辺のものごしといい、よも、お夫婦とも、根からの舟芸人では、おわすまいがの?」 ....
黒田如水」より 著者:吉川英治
い大声がこの人の自然であるらしく、客が席に着くと挨拶も甚だ簡単にかたづけて、 「御辺のおうわさはかねてからよく聞いておる。そちらでは初対面と思われておるか知らん....
大岡越前」より 著者:吉川英治
翁は、ふり向いて、 「お奉行。何ぞ御用かの」 「その印籠を持って、ここを出ては、御辺のお身にも、禍いがかかろうではないか。――詮議の上に必要な兇状者の証拠品じゃ....
姫たちばな」より 著者:室生犀星
国人の声は待ちかまえていたように、津の国人の言葉のうえに乗りかかって挑んだ。 「御辺、ひとつかぞえてくれまいか。」 「黙らっしゃい、話もしたくない。」 「そうか....