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御達
「御達〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
御達の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
、長火鉢の側へすり寄った。
「何だねえ。そんな顔をして。――お前さんの所はみんな
御達者かえ?」
「ええ、おかげ様で、――叔母さんの所でも皆さん御丈夫ですか?」
....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
家様でござりましょうとも、他国より御越しのお侍さまはひとり残らず届け出ろときつい
御達しでござりましてな、御届け致しますればすぐさま御係り役人の方々が大勢してお越....
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
れた親でございます」 幸「はて、それでは親方は養子に貰われて来たので、本当の親
御達はまだ達者かね」 長「其様な訳じゃアございませんから」 幸「そんなら里っ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
、金兵衛さんはことし六十七におなりなさる。おれより二つ上だ。それにしてはずいぶん
御達者さね。」 「そう言えば、吉左衛門さん、あなたにお目にかかると、この節は食べ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
親近の間柄にある支族なぞとは離れがたく思って、躊躇に躊躇したあげく、太政官からの
御達しや総督府参謀からの催促にやむなく屋敷を引き払って来たという人たちばかりであ....
「家」より 著者:島崎藤村
人めですよ――随分出来も出来たものでしょう」 「お前さんのところでは、お雪さんも
御達者だし、どうして未だ未だこれから出来ますよ」 こんなことを傍で言われて、お....
「蒲団」より 著者:田山花袋
貰うように言うてじゃったが、矢張、私の方が好いじゃろうと思って……」 「兄さんも
御達者?」 「うむ、あれもこの頃は少し落附いている」 かれこれする中に、午飯の....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
承った。そして誰一人それに対して異存を唱える者が無かったが、控席へ退いては、右の
御達はあまりの思召切りだ、何とか今少し御思案もありそうなものだといって、彼処に五....
「悪夢」より 著者:豊島与志雄
も相変らず御無事のことと存上候内方一同元気に御座候間御安心下され度父上も例の通り
御達者にていつも野良に出て若者も及ばぬほど働き居られ候健作も日ましに大きくなり此....
「桂馬の幻想」より 著者:坂口安吾
キミの奥方のカンバセにボクも四五桂を読んだのでね。もしやという不安がわいたのさ。
御達者で何よりだ」 「もう世をすてました。お目にかかっても、何も申上げる言葉がな....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
庄吉に
「係り合いの人が、勝手に、出歩いちゃあ、私が、迷惑します。御奉行所から、
御達しのあるまで、動かないで、いてもらわんと。もし――」
庄吉が、とんとん歩い....
「久保田米斎君の思い出」より 著者:岡本綺堂
の『日蓮上人辻説法』というものを上演しました。その時分に御父さんの米僊先生がまだ
御達者で、衣裳とか、鬘とかいう扮装の考証をなすった。その関係で息子さんの米斎君が....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
至極の極則に違いありませんが、かくも明晰に、かくも実際的な仏教の生活化は、太子の
御達識にしてはじめて可能となるものでありまして、以後歴代の仏教家が、太子の御事蹟....
「雨」より 著者:織田作之助
し、そして踊りの仲間に加わった。彼女が踊りに加ったが為に、夜二時までという警察の
御達しが明け方まで忘れられていた。不自然に官能を刺戟させていてもお君の肌は依然と....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
、目も醒るばかりに鮮かな深山毛莨の群落に交って、大桜草のくれないが口紅|濃やかな
御達等の面影を偲ばせている。其中に転がって見たいようだ。此日頃|厳つい偃松の枝や....