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微小
「微小〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
微小の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
である。
縞の或る部分をかすり取る場合に、かすり取られた部分が縞に対して比較的
微小なるときは、縞筋にかすりを交えた形となり、比較的強大なるときは、いわゆる絣《....
「雪の白峰」より 著者:小島烏水
の雪のように、純白ではない、しかも三分の白色を失って、三分の氷藍色を加え、透明の
微小結晶を作って、空気の海に、澄徹に沈んでいる、群山の中で、コバルト色の山が、空....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
どのような多数の物質が迷い込んできてその中に集積する。これら天界の放浪者の質量は
微小なものであるために皆星雲中に捕えられて残り、そこで上に凝縮する星雲物質ととも....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
であり、片方は百万兆哩でしょうが、しかしその対照も、世界空間においては、たかが一
微小線分の問題にすぎないのです。それからジッターは、その説をこう訂正しているので....
「物理学と感覚」より 著者:寺田寅彦
して見れば自分の今言わんとしている事を説明する事ができよう。すなわちかりにここに
微小な人間があって物質分子の間に立ち交じり原子内のエレクトロンの運動を目睹してい....
「蒸発皿」より 著者:寺田寅彦
いの割合であるから、たとえば頭蓋骨だけでも毎分二三百発、一昼夜にすれば数十万発の
微小な弾丸で射通されている。それだのに、おかしいことには、われわれはそんなことは....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
浮力が仔猫の場合に於ても、鞄の場合に於ても万有引力に比して殆んど省略し得る程度の
微小《びしょう》なる力です。これはこれで片づいたとして第二に考えられることは……....
「月世界探険記」より 著者:海野十三
界に、乗合バスぐらいの大きさのものがあったとしたら、それは新望遠鏡には丁度一つの
微小な点となって見えるだろうという……。 「ミドリさんに早く知らせてやろうと思う....
「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」より 著者:海野十三
は、その温容なマスクの下から、夫万吉郎の容姿や挙動について、鵜の毛をついたほどの
微小なことにも鋭い観察を怠らなかった。もしも万一、その夫が真の万吉郎でない証拠を....
「青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
と落着きが感じられるくせに、不利に対して敏感すぎて、彼の力量なら充分押しかえせる
微小な不利にも頭の方で先廻りをして敗北という結果の方を感じてしまう。だから一気に....
「最小人間の怪」より 著者:海野十三
胸がどきどきして来た。めずらしい発見を喜ぶと共に、うす気味がわるい。が、私はこの
微小人間をぜひとも採集して行こうと思い、ピンセットを出して、彼の胴中を挟もうとし....
「誤った鑑定」より 著者:小酒井不木
、それを振動器の中へ入れて、まぜ合せると、もし真実の父子ならば、血液を満している
微小な帯電物の振動が一致するというのです。電子ではあるまいし、何と奇抜な説ではあ....
「水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
いのない調査ですな。けれども、私の思うには、金の線の下と云うと……隠匿場所は実に
微小なものですね』 『
微小ですが、それで十分なのです』 『どうして知りましたか』....
「鼻に基く殺人」より 著者:小酒井不木
に押し入れるなり、紙の漏斗を製って、火薬を電球の中へ注入しはじめた。罌粟粒よりも
微小な鉛色の火薬が、砂時計が時を刻むように乳白の電球の中へさらさらと流れ込んだ。....
「常に自然は語る」より 著者:小川未明
かりとなり、そして、河水は渇れ、生命あるもの、なべてうなだれて見えるのに、一抹の
微小なる雲が、しかも太陽直下の大空に生れて成長するのを、私は不思議とせずにいられ....