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微恙
「微恙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
微恙の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「俳句の精神」より 著者:寺田寅彦
なることもあろうかと思って、ただ心のおもむくままをしるしてみた次第である。多忙と
微恙に煩わされてはなはだまとまりの悪い随筆になってしまったのは遺憾である。 (昭和十年十月、俳句作法講座)....
「猫」より 著者:豊島与志雄
年余りになる老年で、歯数も少くなっているし、「もう子供は産みますまい、」とその春
微恙の時に医者も云っていた。それが久しぶりに妊娠していたのだ。 白の仔猫が来て....
「西航日録」より 著者:井上円了
来するあり。あたかも日本の二月ごろの気候にひとし。かかる気候の激変のために、余も
微恙にかかり、南方の海岸にて静養せんと欲し、四月十七日朝ロンドンを発し、へーステ....
「三国志」より 著者:吉川英治
都堂の祝宴にも、ただひとり顔を見せなかった大将がある。 呂布であった。 「
微恙のため」と断ってきたが、病気とも思われない。 長安の市民が七日七夜も踊り狂....
「三国志」より 著者:吉川英治
あげて、花嫁の行列を追った。 呂布は、書面を認めて、 「昨夜から急に、むすめが
微恙で寝ついたので、輿入れの儀は、当分のあいだ延期とご承知ねがいたい」と、袁術の....
「三国志」より 著者:吉川英治
くのが目に見えて来るだけである。 「策を変えよう」 曹操は一計を按じて、近ごろ
微恙であったが、快癒したと表へ触れさせた。そして、招宴の賀箋を知己に配った。 ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
と、道誉は、困ったような顔を見せて、 「先帝にも、馴れぬお旅路のせいか、ちと、ご
微恙での。……今日にもここは立って、日女道(姫路市)の府までは行き着きたいと思う....
「黒田如水」より 著者:吉川英治
そしてまた、館の内へ入るとすぐ、 「お父上は?」と、老父の状を問い、先ごろからご
微恙できのうまで打臥しておられたが、きょうは床を払って朝からお待ちになっていると....