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微明
「微明〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
微明の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
る。 「おれが働かなきゃ、みなが食べていけない」 そこでかれは夕闇に残る西雲の
微明に向かってらっぱをふく。らっぱの音は遠くの森にひびき、近くのわらやねに反響し....
「白い花赤い茎」より 著者:田中貢太郎
い声がした。走りながら揮り返って見ると、二人を追っかけて来る鬼婆の手を拡げた姿が
微明りで路の上に小さく見えている。 二人は走り続けた。路は一面に白い雪のような....
「球体派」より 著者:豊島与志雄
それが最もよい方法である。私もこの夏そうした。まだ日出前一時間頃、山上には闇とも
微明ともつかない朧ろなものが漂っていて、煙の渦巻いている噴火口の底だけが金色に燃....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
た小さな中庭のような防寨の内部は、やみに満たされて、払暁《ふつぎょう》の荒涼たる
微明のうちに、こわれた船の甲板に似寄っていた。行ききする戦士の姿は、まっ黒な影の....
「死体を喫う学生」より 著者:田中貢太郎
の盛りあがりの傍に蹲っている怪しい物を見つけた。怪しいものは学生であった。学生は
微明るい霧の中に顔を見せた。其の学生の口の周囲には、微赤いどろどろした物が附いて....
「少年連盟」より 著者:佐藤紅緑
年たちの希望はただこれである、荒れに荒れくるう黒暗々の東のほうに、やがて一|曳の
微明がただよいだした。 「おう、夜が明けた」 一同が歓喜の声をあげた。あかつき....
「頼朝の最後」より 著者:田中貢太郎
方は時政に畠山親子に逆心があると云って讒言した。 それは元久二年六月二十二日の
微明であった。畠山六郎の家へ一隊の人馬が押し寄せた。その時六郎の家には主従十五人....