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「微温湯〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

微温湯の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:夏目漱石
脇の薬局で、粉薬《こぐすり》のまま含嗽剤《がんそうざい》を受取って、それを百倍の微温湯《びおんとう》に溶解して、一日十数回使用すべき注意を受けた時、宗助は会計の....
親子」より 著者:有島武郎
男の口の裏は言っているように彼には感じられた。不快な冷水を浴びた彼は改めて不快な微温湯を見舞われたのだ。それでも彼は能うかぎり小作人たちに対して心置きなく接して....
」より 著者:徳田秋声
したり、慣れったがったりしたが、外へ出ない時も、お銀にばかり委せておけなかった。微温湯の潅腸が、再び水銀潅腸に後戻りでもすると、望みをもって来た夫婦の心が、また....
」より 著者:徳田秋声
突きつけるようになった。 お増は楊枝や粉を、自身浅井にあてがってから、銅壺から微温湯を汲んだ金盥や、石鹸箱などを、硝子戸の外の縁側へ持って行った。庭には椿も大....
山と雪の日記」より 著者:板倉勝宣
暗いあかりがともっている。 三十一日 今日は大変な天気だ。吾妻登山をするなら微温湯にまで行かねばならぬ。とにかく昼までは暇なので孝ちゃんのお餅をむやみと食っ....
竹の木戸」より 著者:国木田独歩
ように痛むので寝たのだと聞いて磯は別に怒りもせず驚きもせず自分で燈を点け、薬罐が微温湯だから火鉢に炭を足し、水も汲みに行った。湯の沸騰るを待つ間は煙草をパクパク....
特殊部落の犯罪」より 著者:豊島与志雄
両手でかきむしった頭に少しつけると、冷りとして飛び上った。薬鑵の中に少し残ってる微温湯《ぬるまゆ》をさした。手をつけてもなお冷たいのを、我慢して、ずぶりと頭を浸....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
政治上の一派は、まったくそれから出てきたものである。冷水と熱湯との中間のもので、微温湯のたぐいである。深遠さを装い、実は皮相にのみ止まり、原因にさかのぼることな....
擬体」より 著者:豊島与志雄
肱に書物をあてがい、手先が洗面器に浸るようにした。つまり、手首の動脈を切断して、微温湯の中に出血を続けさせ、安楽な死に方をしようというのである。 彼は暫くの間....
アリゾナの女虎」より 著者:牧逸馬
闘の際、サミイに左手を撃たれたと言って怪我をしているのだ。 警察へ着いてから、微温湯《ぬるまゆ》の中に腕を漬さなければ、その、シイツを裂いて無器用に巻いた繃帯....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
の荷拵えに掛る。まず自分の着物の着方のぞんざいになって居るのを直します。その中に微温湯になったところで直にその湯を飲んでまた乾葡萄の貰ったのを喰いまして、腹が出....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
りに、 気味の悪い物を煮交ぜたものだ。 大胆に言い寄る男性の「赤獅子」を、 鼎の微温湯で女性の「百合」に逢わせる。 それから二人を武火に掛けて、 閨から閨へ追い....