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微熱
「微熱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
微熱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「ろまん灯籠」より 著者:太宰治
いけない。熱が出たようだ。」と呟き、大急ぎで帰っていった。果せるかな、その夜から
微熱が出て、きのうは寝たり起きたり、けさになっても全快せず、まだ少し頭が重いそう....
「人間灰」より 著者:海野十三
ら滾々と、魔法壜の中へ流れ落ちていた。 一方では、液体空気をボイラーに入れて、
微熱を加えてゆくと、別々のパイプから、酸素ガスやネオンやアルゴンなどの高価なガス....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
含むものを見、これを指して湯なりという、ここにおいて庸俗の徒ははなはだ惑う。湯の
微熱なるものと水の微冷なるものとはほとんど相近し、しかれども水はすなわち水たり、....
「パンドラの匣」より 著者:太宰治
んでそのために高等学校への受験も出来ず、どうやら起きて歩けるようになってからも、
微熱が続いて、医者から肋膜の疑いがあると言われて、家でぶらぶら遊んで暮しているう....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
たり、薬鑵をひっくりがえしたり、何度も粗相をくりかえした。頭痛が絶えずしており、
微熱すら伴っていた。医師の診断をうけた私は、急性の軽い胸部疾患であることを知った....
「光は影を」より 著者:岸田国士
いうのは、腹膜炎でも起したのかな」 「さあ、はつきりは伺わなかつたんですけれど、
微熱がとれなくつて……。レントゲンを三度もかけたつておつしやつてましたわ」 「そ....
「笑について」より 著者:岸田国士
ました。ところが産後の経過も大体いいということでありましたが、二週間ばかり経つて
微熱が出た。なか/\
微熱がとれません。そこで、その婦人の家族は心配して内科の専門....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
かそのほかの健康にわるい商売に一生奴隷として働かされる人のような気がした。毎日、
微熱に悩まされ、じつに傷ましいほど神経質になって、一枚の木の葉が落ちてもギョッと....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
日から仕事にかかり、競輪にも出かけましたね。再びどッと床につき、今度はいつまでも
微熱が去らない。吉野旅行が延び延びとなり、ついに意を決しペニシリンと注射器一式に....
「中支遊記」より 著者:上村松園
総参謀長その他の幕僚も御一緒であったが、畑大将は私が杭州で風邪をひき、二日ばかり
微熱のために静養したのを土地の新聞か何かで御存じであったのであろう、 「杭州でお....
「日を愛しむ」より 著者:外村繁
ている。 口腔外科の診察室は三階にあるので、絶えず清々しい風が吹き入っていて、
微熱のある頬に快い。窓近く、プラタナスの若葉がそよぎ、柳の枝が揺れている。空は極....
「落日の光景」より 著者:外村繁
。実を言えば、私は竊かにひどく不逞な企みを思いついたからである。 先日来、私は
微熱が取れず、御茶ノ水の病院で、内科の精密検査を受けた。その結果、私の消化器管は....
「水面に浮んだ女」より 著者:田中貢太郎
。 平三郎は十九になっていた。行燈の燈で草双紙のようなものを読んでいた。それは
微熱をおぼえる初夏の夜であった。そこは母屋と離れた離屋の部屋であった。 庭の飛....
「雀が森の怪異」より 著者:田中貢太郎
きないので、顔をそこそこに洗ってそのまま雀が森へ往った。出たばかりの初夏の朝陽が
微熱をただよわした路には、やはり死人を見に往くのか何か話し話し林の方へ往く人がち....
「萌黄色の茎」より 著者:田中貢太郎
お菊さんの背景になっていた。それは長く降り続いていた雨の空が午過ぎから俄に晴れて
微熱の加わって来た、どこからともなしに青葉の香のような匂のして来る晩であった。お....