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微禄
「微禄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
微禄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「老年」より 著者:芥川竜之介
で、歌沢の師匠もやれば俳諧の点者《てんじゃ》もやると云う具合に、それからそれへと
微禄《びろく》して一しきりは三度のものにも事をかく始末だったが、それでも幸に、僅....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
。 小田切久之進とはやはり血縁の者で、彼女らの父親は小田切久之進の前身と同様、
微禄《びろく》なお鷹匠《たかしょう》だったのですが、お鷹匠といえばご存じのとおり....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
六歳という水の出花で、まだ駆けだしの同心でこそあったが、親代々の同心でしたから、
微禄《びろく》ながらもその点からいうとちゃきちゃきのお家がらでありました。ほんと....
「眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
先生にまで仕立てました。……そこで一頃は東京|住居をしておりましたが、何でも一旦
微禄した家を、故郷に打っ開けて、村中の面を見返すと申して、估券潰れの古家を買いま....
「少年時代」より 著者:幸田露伴
って、生れて二十七日目に最早医者に掛ったということです。御維新の大変動で家が追々
微禄する、倹約せねばならぬというので、私が三歳の時|中徒士町に移ったそうだが、其....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
ずらに三万石並の失費が嵩むばかりで、実際の収入はその十分の一の三千石にも足らない
微禄だったところから、次第次第にふところ工合が怪しくなり出しました。しかしそれか....
「敵討札所の霊験」より 著者:三遊亭円朝
成りまして、忽ちの間に土蔵を落す、災難がある、引続き商法上では損ばかり致して忽ち
微禄して、只今の商人方と異って其の頃は落るも早く、借財も嵩み、仕方が無いから分散....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
云ったが、一段と声を落して殆んど独語のように、然様《そう》では無い山崎、我たとい
微禄小身なりとも都近くにあらば、何ぞの折には如何ようなる働きをも為し得て、旗を天....
「梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
の頃は幕府|瓦解の頃だったから、八万騎をもって誇っていた旗本や、御家人が、一時に
微禄して生活の資に困ったのが、道具なぞを持出して夜店商人になったり、従って芝居な....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
は信徒とは関係がない。ただ名をかした程度であった。 ただ一人、教会に入れあげて
微禄した名士に山賀侯爵がいる。この侯爵はまだ三十五、大そう頭の良い人だと将来を期....
「怪しの館」より 著者:国枝史郎
っきりご返辞してくださいまし」 四 ここに一人の武士があった。
微禄ではあったが直参であった。といったところでたかが御家人、しかし剣道は随分たっ....
「一枚絵の女」より 著者:国枝史郎
でもある、難波屋おきたは小判を見ながら、辞儀をしたものの眉をひそめた。 (この人
微禄の身分だのに、随分派手にお金を使う) こう云う不安があったからである。 ....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
した。 一閑斎の小梅の寮へも、毎日来客が絶えなかった。以前の彼の身分といえば、
微禄のご家人に過ぎなかったが、商才のある質だったので、ご家人の株を他人に譲り、そ....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
女郎花の花が露にしおれて、虫の鳴きしきる郊外よりも、都会の片隅にあるものである。
微禄の旗本屋敷の塀の、崩れた裾などに藤袴の花が、水引きの紅をひいて、空色に立って....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
という哲人であったんですから、つい近間へも寄らずにいました。 郷里――秋田から
微禄した織物屋の息子ですが、どう間違えたか、弟子になりたい決心で上京して、私を便....