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「微笑ましい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

微笑ましいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
青春の逆説」より 著者:織田作之助
土産に三人の名前がはいっているのもおかしかった。H教授は三人の仲の良さにちょっと微笑ましいものを感じた。及第させるならば、三人とも及第させてやりたい、一人だけ欠....
寒の夜晴れ」より 著者:大阪圭吉
わけもなく親しくなって行きながら、すぐにそのことに気づいてしまった。 わけても微笑ましいのは、家庭に於ける三四郎だった。どんなに彼が、美しい妻と一粒種の子供を....
一問一答」より 著者:太宰治
いるような気がします。人間は変っていませんが、服装は変っていますね。その服装を、微笑ましい気で見ている事もあります。」 「何か、主義、とでもいったようなものを、....
仮装人物」より 著者:徳田秋声
一人で、何か葉子の親切な相談相手になってやっているという噂を耳にしたけれど、何か微笑ましい感じで、いやな気持がしなかった。 葉子も主任の問いに答えて、彼女一流....
傷痕の背景」より 著者:豊島与志雄
たしなやかな白い指先に、やさしく戯れて、編台の上に、留針に刺されながら、単調だが微笑ましい模様を、形づくってゆく……。 それにも倦きると、彼女は、リリアンの長....
道化役」より 著者:豊島与志雄
驚かれることではなかった。 川蒸汽の中での一年ぶりの邂逅は、普通以上に、島村を微笑ましい落付いた気分になした。彼はしみじみと村尾の顔を眺めた。 「こんな船に、....
風俗時評」より 著者:豊島与志雄
、大勢の子供たちがそれらに餌などやって遊んでいる。この風景は、如何なるものよりも微笑ましい。例えば、公園や動植物園やまたは特殊の有料遊園などの、如何なる風景を取....
文学以前」より 著者:豊島与志雄
だが、園の方はともかく、池で、六七歳の子供達が、彼等の漁を楽しんでる風景には、微笑ましいものがある。竹切れで釣り糸を垂れたり、手網で岸辺をかきまわしたりして、....
北京・青島・村落」より 著者:豊島与志雄
珠山が聳えている。また、汽車で青島から出発する時、車窓から見える膠州湾内の帆形は微笑ましい。そして飛行機上から眺むれば、青島はただ赤一色の町である。 青島全体....
蛸の如きもの」より 著者:豊島与志雄
らくはそのカフェーの前を、なんどかこそこそと行きつ戻りつしたろう光景は、ちょっと微笑ましいじゃないか。 「もっとも、わたしがあすこに出かけて行ったのは、貞夫の身....
鳶と柿と鶏」より 著者:豊島与志雄
てやりたいんです。」 捕れるものかと吉村は思ったが、李の言葉をそのまま取って、微笑ましい気持になった。そして君枝のところまでついて来た。 君枝の庭には、裏口....
犬を連れた奥さん」より 著者:神西清
うものは、初めのうちこそ生活の単調を小気味よく破ってくれもし、ほんのちょいとした微笑ましいエピソードぐらいに見えるけれど、まっとうな人間――ことにそれが優柔不断....
棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
粥に一片の香の物を賜われよ、と門人衆をいましめた話を憶い出しながら私は久しぶりに微笑ましい気持ちを抱いて我が家へ帰ったのである。 私の七つか八つの頃のことであ....
小説 円朝」より 著者:正岡容
きるようになっていた。 まず何もかもこれで――。 心の底のまた底まで圓朝は、微笑ましいものを感じないわけにはゆかなかった。 あとは倦《たゆ》まぬ勉強だけだ....
随想」より 著者:上村松園
様々の議闘もまた争論も生れる、しかしよくも悪くもこれは過去をふりかえった時には、微笑ましい愉悦さを覚えしめるものと私は思えてならない。 (昭和十三年)....