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「微衷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

微衷の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
後もし夫人を離婚せられずんば、……貴下は万人の嗤笑《ししょう》する所となるも……微衷不悪《びちゅうあしからず》御推察……敬白。貴下の忠実なる友より。」 手紙は....
十二支考」より 著者:南方熊楠
ドイツ人の所行これに同じ。しかし日本人も決して高くドイツ人を笑い得ず、予が報国の微衷もて永々《ながなが》紀州のこの田舎で非常の不便を忍び身命を賭して生物調査を為....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
兼て軍人遺族を慰藉《いしゃ》せんが為め熱誠|之《これ》を迎え聊《いささか》感謝の微衷《びちゅう》を表し度《たく》就《つい》ては各位の御協賛を仰ぎ此盛典を挙行する....
仇討禁止令」より 著者:菊池寛
。余の命数尽きたりといえども、静かに天命を待たずして自殺するは、御身に対する我が微衷なり。余の死に依って、御身の仇は尽きたり、再び復讐を思ふ事勿れ。 新一郎 ....
パンドラの匣」より 著者:太宰治
て、もう論じ合う事柄も何もない筈なのに、それでも互いに興奮して、所謂新日本再建の微衷を吐露し合ったが、男の子って、どんな親しい間柄でも、久し振りで逢った時には、....
新ハムレット」より 著者:太宰治
ければならなくなり、ずいぶんつらい思いをしました。いま考えても、冷汗が湧きます。微衷をお汲み取り願い上げます。」 王。「よく言った。見事な申し開きでありました....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
涜す。ただこの高齢、高徳の士、不世出の国粋芸術家梅津只圓翁の真骨頂を世に伝えたい微衷に他ならない事を御諒恕賜わらば幸甚である。 尚、この『梅津只圓翁伝』を物す....
堺事件」より 著者:森鴎外
生の思出にお直に申し上げます。只今の御沙汰によれば、お上に置かせられても、我々の微衷をお酌取下されたものと存じます。然らば我々一同には今後士分のお取扱いがあるよ....
一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
商売を営もうとする人には多少の参考にもなろうかと思い、ひとえに後より来る人々への微衷よりして筆を執った次第である。 また「主婦の言葉」は、妻が私の言い漏らした....
南半球五万哩」より 著者:井上円了
べく候(以下これを略す)。左の拙作三首を添う。 東去西来知幾年、壮心一片老逾堅、微衷聊欲、遥上南洋万里船。 (東に行き西に行くこと幾年であろうか、一片のさかんな....
三国志」より 著者:吉川英治
は今の位置を退きたい。それを安んじて譲りたい人物も貴公以外には見当らない。どうか微衷を酌んで曲げてもご承諾ねがいたい」 陶謙のことばには真実がこもっていた。う....
三国志」より 著者:吉川英治
りがたいおことばですが、臣が先帝より孤をたのむぞとの遺詔を拝しましてからは、臣の微衷は、それを果さぬうちは、眠るとも安まらず、閑を得ても、心から閑を楽しむ気持に....
私本太平記」より 著者:吉川英治
」 「そして、こんどのお下向のお心は」 「さきに、しばしば、書状にこめて、定房の微衷を、お願い申しあるが」 「あ、なるほど、たびたび拝見いたしておる。あなたはさ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
た折に、ありがたい忠言だった。ご友情は心から謝しておく」 「いやこれも、世を思う微衷のほかではありません」 「世を思う。いかにもな。尊氏とて世は思う。一つ心だ。....
「特殊部落研究号」発行の辞」より 著者:喜田貞吉
に関する投稿を得て、一層その研究を完成致し度しと存じ候う。仰ぎ願わくは小生のこの微衷のあるところを諒とせられ、何らの御隔意なくこれに関する御研究或いは御見聞の程....