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微賤
「微賤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
微賤の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「選挙に対する婦人の希望」より 著者:与謝野晶子
諸氏が次第にこれを奪って独占したという歴史があるので明白です。偶ま豊臣氏のように
微賤から出た政治家があっても新しい官僚政治家が一人殖えただけで、政治に対する国民....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
》の努力かも知れない。 上代の神人は申すも畏《かしこ》し――わが親愛なる、わが
微賤《びせん》なる宇治山田の米友に於てもまた、この「あがつまの国」にやるせなき思....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ような、ないような返事。 「あれの語るところによると、イエス・キリストも、また、
微賤なる大工の子の出身だといっています、そうしてキリストが、世界の歴史を両分し、....
「ヒューメーンということに就て」より 著者:豊島与志雄
を指すことになるべきである。気弱さから気強さに至るまで、邪悪から善良に至るまで、
微賤から崇高に至るまで、感傷から剛健に至るまで、其他多くのものを含むことになるべ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
。作者らは、名声をも快楽をも金をももたらし得ないような人々――ちょうどこの二人の
微賤《びせん》な読者のように、世の中に姿も見せず、どこにも筆を執らず、ただ愛し黙....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
示したまえ。その生活こそ、海よりもより深くより広いのだ。われわれのうちのもっとも
微賤《びせん》な者といえども、内に無限なるものをになっているのだ。人間たるの単純....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
る。それ自身普通のつまらぬ土の中にこね上げられ、無知で、無学で、放心で、卑俗で、
微賤《びせん》であるこの侏儒《しゅじゅ》は、やがてイオニア人(哲人)となるであろ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
く》に夜眠る者、仕事によらずして行きあたりばったりに日々のパンを求むる者、悲惨と
微賤《びせん》のうちに沈淪《ちんりん》してる名もなき者、腕をあらわにしてる者、跣....
「死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
人の集会としては、もっとも崇高な顕著な慈悲深い光景を世に示したであろう。弱い者や
微賤な者のことを図ってやるのはいつも、真に強い者や真に偉大な者の仕事である。バラ....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
傲然と携えて行った。こういう風にして、一千七百七十五年は、その王者たちや、無数の
微賤な人々――この物語に出て来る人々をもその中に含めて――を導いて、彼等の前に横....
「三国志」より 著者:吉川英治
何后はすぐ、兄の何進を呼びにやった。 そして何進をなだめた。 「私たち兄妹が、
微賤の身から今日の富貴となったのも、そのはじめは十常侍たちの内官の推薦があったか....
「三国志」より 著者:吉川英治
りますね。して、あなたはその蜀で、どんな役目を勤めておられますか」 「お恥かしい
微賤です、劉璋の家中において、別駕の職についております。失礼ながら其許は?」 「....
「三国志」より 著者:吉川英治
と、断じて、君のおゆるしを仰がぬうちは、ご身辺へ寄せることは相ならぬ。許※、身は
微賤なりとはいえ、君の内侍を承り、ご身辺の警固を仰せつけられて、ここに在るからに....
「三国志」より 著者:吉川英治
されてしまうだろう。……といって、何しろ糜芳は、蜀のうちでも余人とちがい、玄徳が
微賤をもって旗上げした頃からの宿将だ。俺の舌三寸でおめおめ降るわけはないし」 ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ある清忠のほうを見て。 「さだめしお上におかれても苦々しゅうおわせられましょう。
微賤な一廷尉の分際が、かくも長々と、愚言を奏したてまつろうなどとは、たれしも夢思....